あなたの幸せ、私の幸せ。

世界に名だたる高級ブティック街のアヴェニュー モンテーニュ。一昔前の高級ブティック街のサント ノレは、今では何でもあり、道も狭くてごちゃごちゃしていてサンダルつっかけて歩いていても気まずい思いはしません。しかし、ここアヴェニュー モンテーニュはブティックが、どこも玄関があるように道から引っ込んでいて、岩のようなガードマンが立ちはだかっています。そして来るお客を、”OK”、”まあまあ”、”ぎりぎり”、”ケッ”、とカテゴリー別に見分けているのがありありです。ケッのカテゴリーの私は、なので縁のない通りです。
なのに、歩行者も疎らなその高貴なアヴェニューを先日歩いていました。と、ボンジュールと聞こえたので、誰かしらと振り返れば、今通り過ぎた知らんインド人。”あなたはラッキーレディー!”と私のおでこを指さしながら言います。”6月にとっても良いことが起こりますよ。あなたはとってもラッキーレディー” 頭のおかしな人風でもなく、服装もきちんと常識的、お顔も崩れていません。彼と私の間は5歩位離れていて、”あらまぁ、それは嬉しや、ありがとう!”と言いながら私は少しずつ後退しました。インド人はしゃべり続けていますが、英語だし遠くなっていくので聞き取れません ”。。。。。。。私からのアドヴァイスです”という言葉だけ私の耳に残してインド人は去って行きました。
あっや~、私はラッキーレディーなの!!!!!
心当たりは全くないものの、視界はがらりとバラ色になりました。
6月???それは私の誕生日月。楽しくも嬉しくもなんともない誕生日の事じゃあるまいな、いや、息子の試験の結果が出るのが6月じゃなかったかしら?など私の心は散り散りです。
くそ、何でインド人の忠告をちゃんと聞かんかったんか!と後悔で眠れぬ夜を過ごしました。
数日後、バスに乗っていました。毎度の渋滞でぼんやり外を眺めていたら、お店から出てきたフランス人の男性が誰かに呼び止められて、眉間にしわを寄せて話を聞いています。その内殴りかかるのかと見守っていたら、握手をして別れました。????と思って話しかけた人をバスの前進と共に見たら、あのインド人です。
場所はギャラリーラファイエットの横の道です。
狐に鼻を抓まれたまま頭の中を整理してみました。あのインド人は”引き寄せの法則”を使っているのではないか?
彼の”You are lucky lady”の一言で私は幸せさんになったんです。彼が人に与えたその幸せが彼に戻るというからくり。”情けは人の為にならず”っていう事です。
人の為でなく、自分の為。正しく、ボランティア活動をしている人達の心底と同じです。
人間って面白いですね、誰かの一言で心の持ちようが良くも悪くもガラリと変わるんですから。
あのインド人という風貌がまた一役買っています。
ナマステ~ェ。