シャンパンを注ぎながら、ホレあの椅子にエリザベス女王様がいらした時お座りになるんだよ。と気の良いバーテンが教えてくれました。そーなの?と近寄っていくと、椅子の上にガラスが置いてあって女王様以外の人座るべからず!というメッセージがにじみ出ています。
そーここは、エゲレス大使公邸、パリ8区高級ブティックが並ぶサントノーレ通りです。この通りはいろいろな国の大使公邸がフランス大統領官邸のエリゼ宮に沿うようにしてずらりと並んでいます。日本大使公邸も仲間に入っています。
格好良くはためいているエゲレスの国旗を目指して行くと、入り口で身分証明書と、事前に出席の報告をしているネーミングリストとを厳重に確認します。
何に出席したかといいますと、BACKES&STRAUSSというエゲレスの由緒あるダイヤモンド商の時計の新作発表会のカクテルです。
公邸の建物自体は普通にゴージャスです。こじんまりしたお城です。何でも1722年に建てられたそうで、建築家は現在のフランスの首相官邸も造った人だそうです。当初は貴族達が住み代わって、1800年代にエゲレス大使公邸として落ち着いたそうです。映画でよく大使館に逃げ込んで亡命する場面や、危険があるからと、大使館に匿ってもらったりする場面があるけど、こんな所だったら素敵だな。
ここは、裏庭側。ゴルフ場のような美しい芝生です。
時々、このようなカクテルは、日本人の日という枠を設けて招待客は日本人のみということをするメゾンがあるのですが、あれは何故でしょうかね。そうなると一段と華やかさが欠けて地味で大人しいものになるのに。今回はなに人も混ざっていました。
そうするとですね、広い会場で部屋もいくつもあって、お庭まであるのに人の声でワンワンしています。大使のスピーチもダイヤモンド商の偉い人のお話も誰も聞いていません。背中を向けて、しゃべくりまくっているおばちゃんもいます。カクテルパーティーのオーガナイザーが学校の先生のように何度も『静かに!』という『シッ!』を発していました。
飲み食いの勢いも日本人とは大違い、シャンパンはいちいち栓抜いている暇が無いからかマグナムです。さすがエゲレス、ジントニックも用意してあります。試してみるとロンドンを思い出す美味しさです。
大きなお皿に盛った上品なおつまみもあっという間に無くなります。なのでそうそう凝った物は作っていられませんって感じです。
最近日本で2つ、ダイヤモンドだらけの時計が売れたそうです。
誰だろうこんな重い時計を付けられる頑丈な手首を持っている人って。