シャンゼリゼのクリスマスマーケットさようなら

フランス人が世界で一番美しい通りと思い込んでいるシャンゼリゼ通り。はて、”シャンゼリゼ”ってどういう意味かご存知でしょうか?ギリシャ語で”極楽浄土”という意味だそうです。そのパリの極楽浄土はクリスマスともなれば、豪勢なイリュミネーションに浮かれて、そりゃ飲めや歌えやとはじける為に世界中の人が集まってくる場所です。その中でもパリ最大のシャンゼリゼのクリスマスマーケットは1千5百万人の訪問者、2千人の人が働いて、250件のお店が出店しています。私も毎年日本からのお客様をご案内します。
 
 
そのシャンゼリゼのクリスマスマーケットが今年は無くなりました。今頃それは賑やかだった場所は、薄ら暗く人も歩いていなくて、ぶるりと寒さが増すような風景になりました。
 
 
 
 
 
クリスマスマーケットの興行主のマルセル カンピオン氏とパリ市との契約が切れたので2017年から更新しないということです。何故パリ市側は更新しないかとの理由は、屋台の内容がクリスマスマーケット本来の内容とかけ離れて行き、商業主義だけが目に付くようになった為。要するに悪趣味で貧乏たらしい、くだらん物ばかり並べて世界一美しい我らのシャンゼリゼ通りに相応しくない!という意味です。
それまで代々のパリ市長とは、いろいろな賄賂が功を奏して上手く付き合っていたカンピオン氏は、今の市長ともさっきまで仲良くしていたのに、と晴天の霹靂の大仰天だったことでしょう。
噂では、大金持ち会社LVMHのベルナール アルノーが裏にいるとか。ブーローニュの森のルイ ヴィトン財団の横にある、パリっ子なら小さい時1度は連れて行ってもらったことがある遊園地、アクリマタシオンが今大工事をしていて5月に再オープンします。このアクリマタシオンは1860年にナポレオン3世がオープンしたという由緒正しき遊園地です。それがパリ市とそれとベルナール アルノーとが所有者なんだそうです。ブイブイのビジネスマンのアルノーがここでパリの興行ビジネスに乗り出して、小ぎたないカンピオンの屋台をどかして、シャンゼリゼに相応しいデラックスでシックなクリスマスマーケットをやろーってんじゃないか?
いくら賄賂をつぎ込んでも、ベルナール アルノーには敵いませんがな。現にパリ市は来年からは違った趣旨でシャンゼリゼのクリスマスマーケットは復活する可能性大と言っています。
 
この大観覧車もカンピオン氏の所有ですが、市長はこれも,歴史的建造物に囲まれているコンコルド広場に全くもって似つかわしくないので撤去したいという意向です。