パリは毎年来てますの、の方でも中々経験しないパリの名所、それはサン マルタン運河のクルージングです。これからの季節是非お勧めします。という事で、パリ19区のヴィレット流域にある水門にお勉強しに行ってきました。
事の始まりは16世紀まで遡ります。パリに農産物や薪、建築資材を運ぶ為に運河が建設されました。今の様になったのは19世紀にナポレオン1世がパリに飲料水を運ぶ為、セーヌ河とウルク河を結ぶ水路として開発しました。パリ郊外まで全長130kmにも及びます。しかし土地は平たんではなく高低差があります。水を堰き止めて、水を貯めたり、流したりして進行先の水面の高さに合わせるというステップ バイ ステップで船はのんびり進んで行くとうからくりです。上流に向かう船、下流に向かう船が交互に行きかえば合理的に行くのですが、同じ方向に行く船が続くと、せっかく貯めた水を流して、又やり直しというなんとも頭が悪いのかと疑うような仕組みです。
もちろん、こんな手間暇と大量の水を使用するので通行料もかかります。1トンに付き0,047セント。だたし、荷を積んでいる時だけで空の状態だと無料だそうです。
運河運行には免許がいらないので、誰でも船をレンタルして船長さんになれるそうです。時々上手く水門から入れなくてガタンガタンぶつける人もいるようですが、大した事故は起こらないそうです。道に迷うこともないし。
コントロール室、皆のんびり仲良しな職場の雰囲気。アホな質問にも優しく答えてくれます。
有効深、扉室、閘室、階壁、などなど日本語でも聞いたことがないような言葉の嵐を楽しみました。
パリにはサン ドゥ二運河、ルルク運河、サン マルタン運河の3つの運河が関わっています。クルージングをするのはパリ4区、バスチーユ広場近くのアルセナルポートと19区のヴィレット公園の間のサン マルタン運河4,5kmを2時間30分かけてパリの下町をゆったりゆったりクルージングしていきます。
この間4つの水門、地下、船を通過させる為ぐるりと動く道などを楽しめます。
とてもフォトジェニックなので、よく映画の撮影にも使われます。古い映画では”北ホテル”、最近では”アメリ”、”パリ、恋人たちの2日間”など、次回のミッション インポッシブルでもトム クルーズはこのサン マルタン運河で活躍する予定だそうです。日本のアンリ カルチエ ブレッソンと言われた木村伊兵衛もサン マルタン運河で素敵な写真を撮りました。
益々パリが好きになるのは請け合いです。問題は1日3便しかないんだな。それからイラチな方には向かないかもしれません。時速6kmが制限速度ですから。