とても大切なちょっとしたお使いがあって本当に久しぶりにジュネーヴへ行きました。
パリから新幹線で3時間ちょい。ゆっくり本を読めて幸せの一時を過ごせます。フランス人の事だから、座席で携帯でしゃべくりまくっている人がいるし、パチパチキーボードを打っている音も盛んなのですが。。。
どんだけ久しぶりかと申しますと、前の晩に引き出しの奥から探し出したスイスフランを、観光局の姉さんに『コレ使えるのかしら?』と聞くと、『ワオー、こんなの見たこと無い』と化石扱いされました。しかし、さすがお金の国スイス、郵便局ですんなり取り替えてくれました。とは言うものの、『コレ、もう価値が出てるんじゃないですか』なんて珍しがられながら。
モンブラン橋を渡りながら、レマン湖からの風を受け、雪を積もらせているアルプスなんぞを見ると、心細くなるほど寒い気がするのですが、8度ぐらいあるので大して寒いわけではないはずです。それでも寒々しいのは、人が少ない事、そしてどこも薄ら暗いんです。なんでだろうと見渡すと、ケチなスイス人気質なのか、どこのお店も休みなのかと思うほど暗いんです。入る気もうせるほどしけっています。
街全体が真面目です。ユーモアつーものが皆無です。変なのと思ったのは、街中をジョギングしている人が大勢いること。走るのにいいところが一杯あるってーのに。ほんでもって皆、スポーツショップのコマーシャルに出てくるようなきちんとしたジョギングのスタイルをしているんです。パリだったらベロベロのジャージにデレデレのTシャツとかが多いのに。生真面目一点張りです。
アラブ人やアフリカンが少ないって事は物価が高すぎてパリのようになんとか住めるという所ではないのでしょう。
せっかく取り替えてもらったスイスフランを使いたいなと思っても,買いたい物もなく、スーパーへ行って見ても、家の近所のスーパーと大して変わりなく、仕方ないからスイスのチーズにスイスのソーセージにスイスのチョコレートを買って、それこそいつも使っているエコバッグに入れて家に帰ったら、近所で買い物した帰りのようでした。
ジュネーヴの駅は国際駅だというのに、今工事中ということもあるかもしれませんが、なんか日暮里とか赤羽的な冴えない駅です。
それでも駅構内にスイスとフランスの国境のコントロールがあって、私の前を歩いていた高慢ちき(推定)なスイス人のマダムは、お腹を突き出して腰に両手を当てて出てきて国境コントロールの人に、『どちらへ?』『パリです』『ほーパリに何しに?』なんて言いがかりをつけられていました。その手間取っているマダムをすり抜けて買い物袋を提げた私はノーチェック。
やましい事は一つも無いのに、イミグレーションや税関を通リ抜けるといつもホッとします。
帰りの新幹線で隣の席に座ったアフリカンのおばちゃんは、アフリカからジュネーヴに住んでいる息子に初めて会いに来たと言う様子で、(座席まで送りに来た人が孝行息子に決まっています)息子に買ってもらった(推測)真新しい白いリーボックの運動靴が気に食わないのか、座席に座るや否や脱いでしまい、裸足になってやっと人心地付いたようです。
『アッ!ウゴイタ』『ワタシ パリ イク』とか殆どターザン語でぼそっとしゃべるので、こちらとしても『ホント!ウゴイタ』『ワタシモ パリ、キット ミンナモ パリ』などターザン語で会話をしていました。
パリに着くと甥(推測)がちゃんと電車の降り口でおばちゃんを待っていました。
リヨン駅から家へ帰るバスの中から見るパリは本当に美しくて、なんか楽しい事がありそうです。やっぱり私はパリが好き。