『タダ美術館』という名前の美術館ではありません。無料、フリー、0€の美術館です。
世界のパリオルセー美術館の前にちんまり佇む、よく見れば美しい建物はMUSEE DE LA LEGION D’HONNEUR。 勲章美術館です。
世界で一番美しいとフランス人が言っているフランスの国家勲章、レジオン ドヌール勲章。
例のごとく1802年にナポレオン1世が制定したものです。
しかしナポレオンってすごいな。いまだに良い事として彼が決めた制度が至る所に残っているんですから。
フランス国へ卓越した功績をした軍人や市民に与えられます。人間だけでなく、都市、例えば2004年にはアルジェリアに授与されました。他にも学校だとか企業だとかも対象になります。
警察官が国賓が来たときや大切な日の礼服として、勲章を受けた部隊の警官は左肩に赤い縄の様なのもをくっ付けます。それもレジオン ドヌール勲章の印。
外国人も貰います。日本人としては、ソニーなどの企業の人や黒澤明、大江健三郎など文化人も貰いました。
おへそが曲がりに曲がってるフランス人のこと、勲章だなんていらんと拒否する人もかなりいます。
『そんなあっちこっちにばら撒くようなもんじゃないだろう、チョコレートのメダルじゃあるまいに』とか。
ジョルジュサンドは『そんなことしないでください、酒保のおばちゃんみたくなりたくないの』と断ったし。
ラヴェルが勲章を拒否した時、エリック サティは『ラヴェルは勲章を拒否したかもしれないけど、彼の音楽はレジオンドヌール勲章をすっかり受け入れているよ』って皮肉ったり。
『んじゃ、うちの料理人に与えよう、ヤツの料理の技術は大変優れているからな』とか。
そんなこんなのメダルのすばらしいコレクションがわんさかあります。
宝石屋さんみたいです。アクセサリーやボタンのデザイナーの方には大層興味深い美術館です。


 
 
 
 
 
 
 
もうひとつ、世界のパリポンピドゥーセンターの前にも、大型公衆トイレ?と思う人がいるかもしれないというような近代的な建物があります。
ルーマニアの彫刻家のブランクーシのアトリエを再現した小さな美術館です。
ブランクーシは1904年にパリに上京してボーザールに入学。
ロダンに弟子入りしたりして立派な彫刻家となりました。
彼の作品はあまりにも簡素なので美術品に見られなくて、プロペラとか工業製品に見られたりしてかなりムッとさせられたそうです。
イサム ノグチがブランクーシに弟子入りして、彫刻家への気持ちを固めました。
時期的に見て、先日見学に行ったモンパルナスのブラッスリー クーポールにたむろっていた、エコール ドゥ パリの仲間だったのかしら?
本来のアトリエはモンパルナスに近い15区にあったし、彼のお墓はモンパルナス墓地ですから。
あまりにも清潔に小奇麗に再現してありますが、使っていた道具や作品も見られてホーと言っている間にくるりと一回りして終わりという小さな美術館。静かで良い所です。
 

きっと皆さん見たことあることでしょう。 『眠れるミューズ』