負けました

今年のヴァレンタインがちっとも冴えなかった、(いえ私個人的でなく、フランスの世の中が)っと前のブログでお話ししましたが、やっぱり景気悪いのかな、としょんぼり思っていたんです。
ところが新聞を読むと,最高級品は調子良く登って行ってるんですって。
ご存知ヴィトン、エルメスやスイスの立派な時計屋さんなどはウハウハだそうです。
それもこれも全て大勢の中国の皆様のお蔭だそうです。
とうとう日本も経済大国2等賞の座を中国に取られてしまいました。
未だ私が日本に住んでいた頃、中国へ行くには、一回毎いちいちヴィザを取らなければならなかった、めんどくさい国だったのに。
中国国内でも勝手な行動は一切許されず、泊まるホテルも移動の乗り物もその時にならなきゃ皆目分からなかったような秘密主義な国だったのに。
外国人用の高級とされているホテルでもネズミは歩いてるわ、茶色いお湯がちょろりと出るようなお風呂だったり、部屋が足りなくてお客さんを廊下で寝かせたりするような混沌とした国だったのに。
時刻表なんて無い国内線の飛行機をやっと捉まえて乗ってみれば、水がぼたぼた天井辺りから漏れてるわ、暑いわ暑いわと思ってると、乗務員の姉さんが団扇と、どろどろに溶けたアイスクリームを投げて寄越してくれ、なんやらとてもありがたく思ったりしているうちに、パタパタとスリッパの音を立てながら、シャツの前をはだけた掃除のおじさんが来たと思ったら、するりと操縦席に座って、んだば行くべ。と暑いのでコックピットのドアも開けっ放しでほわーんと飛んで行いったような、ドン百姓な国だったのに。
でも、あの頃からもう中国は動き始めていたんですね。
偉い経済学者の方々は、そのうち中国に日本は抜かれる、とはっきり言っていたんですから。
石鹸だろうがなんだろうが、何の匂いにも埃臭さが混じってた中国を見ていた当時の私達凡人は鼻で笑ってたけど、直ぐに、こりゃえぁらいこっちゃと気がつきましたが、まさかこんなスピードでぶっ飛ばしてくるとはね。
前までフランス高級品のお得意さんだった日本人は、今は物欲が薄れ、お買い物というよりは、旅行や美味しい物という体験欲が盛んになってきたそうです。
もしこのパターンで行って、物だらけに飽きた中国人の購買意欲が薄れてきてしまった暁は世の中どうなってしまうのでしょうか?