用意万端

フランスでのノエルのスタイルは、その家の伝統や、諸事の事情によって違う。
24日の夜が本番になるか、25日のお昼が本番になるか、或いは24日の夜は身近な家族で祝って、25日は親戚全員集合。と二段構えの家族も結構いる。
殆どは、親戚の間で持ち回りで、去年はお母さんの家でやって、今年は義理のお姉さんの家でノエルのお祝いをする、ってな具合。今年のノエルはどうするの?って聞くと、さっと顔が曇って、今年は家の番なのよ。と憂鬱そうな人もいれば。今年は従兄弟の家だから、あたしはシャンパンだけ用意すればいいから、楽ちん楽ちん。とやけに嬉しそうな人、と色々。
24日の街の雰囲気は、朝から食べ物屋さんは人、人、人。
眉間にしわ寄せて早足で歩いている知人を、道で見かけても、こんにちは、と声を掛けるのも憚れる様子。使おうと思っていた、ロリエの葉っぱを切らして、慌てて買いに出てきたのかしら?或いは、冷蔵庫から取ろうと思った卵を、落っことして全部割っちゃったのかしら?と己の体験を思い出して、くわばらくわばらと気を引き締めて、肉屋で順番を並んでいる間、周りの様子を見てて、つくづくフランス人って食いしん坊だなと感心。よだれを垂らさんばかりに(口の中はレモンを見た状態になってる、きっと)両手をすり合わせながら、肉の塊を選んでたりするんだからね。(こういう動作をするのはおじさん達).
それでやっぱり生牡蠣は人気、見栄えはいいし、料理しなくてすむから。なので牡蠣屋は朝もはよから、牡蠣を剥き始めます。普通、24日は22時頃から食事が始まると思うんだけど、もう?と思うでしょ、牡蠣は剥いて置いておいて良いんですって、その方が美味しいんですって。ブルターニュの牡蠣屋の息子が言ってたからきっと本当でしょ。