人々

変なのと思う運転手達に会いました。
ある日地下鉄でぼーとしていると、『おんどりゃー、これが今日の最後だと思えよッ、クソッたれがー』と車内放送で流れました。ぎょっとして顔を見合わせた乗客たち。しかし何事もなかったようにすーと発車したので、それぞれ新聞読んだり、携帯いじくったり、ぼーと呆けたりと元の状態に戻りました。いくつかの駅を過ぎた頃、『只今スリが乗車しましたので皆さん充分ご注意ください』とコレはよくある車内放送が流れました。と、『とっとと失せろ、おんたんちん!』そして『只今スリが降りました。さーボクの地下鉄で快適な旅をお過ごしください』と晴れやかな声で放送されました。
違う日、相も変らず地下鉄で呆けていました。(だって、もう目が見えなくて地下鉄の中でなんか何も読めないんですよ。)すっごい急停車、それも3段階ぐらいに分かれたガクン、ガクン ガックン。人でも轢いたんかと思うような緊急ぶりです。『イヤーすんまへん。わての所為ではおまへんで、これ自動運転なんですわ、やっぱ機械なんかあかんですな、わてがこの手でちゃんーんと運転しますさかい、ご安心ください。』(なんとなく関西風な感じでしたので)という人間味溢れる車内放送が流れました。
昨日バスを待っていると、68番のバスお待ちの方いらっしゃいますか?と兄ーさんが小走りでやってきました。良く見れば、バスの運転手のセーターを着ているので、ハイ!と元気よく手を上げると、もし良かったら僕のバスあっちに止まってるんだけどお乗せしますよ。
??????となりながらも兄ーさんに付いて行くと、何故こんな所に68番のバスが居る?てな所にバスは無人で待っていまして。ルートを間違えたのか、それとも駐車場に帰る道だから親切心がら乗せてくれたのか、その後正規のルートを通り、ちゃんとバス停にいちいち止まってお客さんをひろって行きました。
いつぞや乗ったバスの運転手はマイクで観光案内しながら運転していた人もいました。もう拍手喝采でした。
やっと捕まえたタクシーに乗リ込むと、なんかすんごく気持ちのいい香りがしました。座席もなんかフカフカしていい気持ち、小さく流れている音楽は、夜中のパリにぴったりなジャズ。シートのポケットにはオサレな雑誌が挟んであります。運転手は年齢不明のブラック。
『あなたのタクシーすっごく気持ち良いのね。』と言うと、『お客様がリラックスして乗って頂くのが私の願いです。』とこれまた心地よい声で答えました。
電話番号を聞きたかったぐらいです。
フランス人が日常に接する職業の人で一番の人気者はパン屋、2番目は郵便配達人、3番目は消防士だそうです。
私はどの人達も別に好きではありませんがね。