ムンムンハマム

地球儀で見るとフランスは太陽がバシッと当たる場所にあるので、太陽が出れば日差しは強烈です。

よくテレヴィや雑誌でパリの様子を見ると、皆、赤ん坊までサングラスしてて、気取ってんの。って思われるかも知れませんが、サングラスは必需品なんです。

目潰しくらう様な日差しです。

そんな中、天気の良いのに浮れて、なるべく肌を剥き出すような格好で歩いていれば、胸や肩や足に身に着けている物の跡がばっちり付いてしまいます。顔にもサングラスの跡が付いちゃって。

強い日差しに肌も頭も疲れたこんな時、日本だったら温泉にでも行ってみっか?と思いつくところです。しかし現実はパリな訳なので、ハマムに行くことにしました。

ハマムとは、ローマ風呂が発祥の蒸し風呂です。

モロッコが一番盛んですが、イスラム教徒達の憩いの場として今でも無くてはならないお風呂やさんです。

パリには、本格的なアラブ人の庶民的なハマムもいくつもありますが、今回は小洒落た、パリジェンヌご用達ハマムに行きました。

ハマムの絶対必需品は、黒オリーブの石鹸、垢すり手袋、アルガンオイルも欲しいな。

今回のハマムでは、先ず軽くシャワーを浴びて、ハマムに入って、暑くなったら冷たいシャワーを浴びたり、お水を飲みにサロンへ下りて行ったり、又ハマムに入ったり。

予約していた垢すり担当姉さんが呼びに来てくれるまで、出たり入ったりしてました。

ようよう姉さんが呼びに来てくれました。

体中に黒オリーブの石鹸を塗りたくってくれます。石鹸といってもオイルのようなもんで、アワアワなんてなりません。ヌルヌルです。これが肌の余分な油分を取ってくれるそうです。

ヌルヌル石鹸を着けたまま、ハマムに入って待ってて、10分したら呼びに来るからね。という姉さんの言葉を信じて待つこと20分。

ええ加減にせー!っと、ドアをバーンと開け放って出て行きました。あれ?誰もいない。ガウンに包まって姉さんが来るのを見張っている間にすっかり体は冷えてしまいました。

そんなこんなで垢すりも無事終わり。

お次はジャグジーでブルブルやったり、浮かんだり、指が溶けるほど入っていたら、宇宙飛行士が地球に生還した時のように、地上はずっしり重く感じました。

途中ミントティーを飲んだりしながら今回は2時間で帰ることにしましたが、アラブの女性達は半日又は1日ハマムで過ごします。

黒石鹸を付けて体の隅々まで垢すりして、髪も体も溶いた粘土でパックをして、スワックで歯磨きして、最後にモロッコオイルなんてアメリカ辺りでは呼んでるアルガンオイルで保湿して出来上がり。途中、ご飯食べたり、お茶飲んだり、昼寝したり。

自分の体がつるつるすべすべで一番嬉しくて気持ち良いのは自分自身です。

あー気持ち良い。

ここのハマムは女性専門ハマム。他のハマムは普通、曜日で女性日、男性日と別けています。

チュニジアのホテルで入ったハマムは男女ミックスでヨーロッパ人ばかり、殆どの人が能天気にすっぽんぽん。

なんだかその辺に座るのも直接的で気が引けました。

それに開けっ広げな状態で知らない人に話しかけないで欲しかった。

やっぱりハマムの様な裏舞台な所は女同士でお喋りしながらが楽しいな。
ハマムの入り口。

こんな大理石のカチンカチンの垢すり台。背中が痛い。