フランスにおけるカルチャーショック

何を企んでいるのかと警戒するほどパリはご機嫌でいいお天気なんです。
昼間などサングラス無しでは目潰し食らうほどです。
汗をかくほど暑くないし、湿気もないので、爽やか軽やかいい持ちと歩いていると、ぷーんと臭います。
振り向くと、すれ違ったのは普通の小奇麗なおばさん。
お風呂入っていない、特にシャンプー全然していない。
このような気候ではフランス人はお風呂入ろうと思わない人が多いです。
もともと『お風呂は万病の元』という信念は彼らの骨の髄に今でも残っています。
地下鉄ではもう、息をどんだけ止めていられるかが勝負です。
それに輪をかけて、不況の折、入れ替わり立ち代り、浮浪者がお金頂戴と地下鉄に乗り込んできます。
どうぞどんな匂いが立ち込めているか想像してみて下さい。
窒息死すんでんになりながら読んでいた新聞に、フランス人の66%が毎日靴下を取り替える!と書いてあります。
何が言いたいの?
66%しか、又は34%のフランス人は靴下を毎日変えない。
或いは、66%ものフランス人が毎日靴下を変える。イヤー綺麗好きになったもんだ。という意味が込められているのか?
ドイツ人、エゲレス人は78%の人が毎日靴下を変えるんですって。
ケッ、靴下とか下着って毎日変えるものじゃないの?
こんなに長生きしてて知らんかった。
近所の子供を、親が新婚旅行へ行っちゃっうんで、1週間預かったことがありました。
浮き浮きしてうちに子供と大きな荷物を持ってきたお母さん、色々旅行のことを喋り捲って、『あっそうそうこの子のことは洗わなくていいからね、今朝洗ったから。』と言ってスキップしながらか帰っていきました。
もちろん、毎晩上から下からごしごし洗って、耳や目もきれいにして、鼻の中にもスプレー吹っかけてからうちのベット入れました。
うちでは、子供は幼稚園や学校から帰ってきたら、どこにも触らせずお風呂直行です。
こうやってたって、しらみが髪の毛に絡まってくるんですから。
以前、池のほとりで子供達も含めて10人ぐらいでピクニックしていた時。あー食った食った、眠くなったー。
と大人は皆寝っ転がりながらおしゃべりしていて、あたしが言いだしっぺだったんですが、蚤やら虱やらダニの話をしていたんです。
すると『そげーなもん、人間ならみーんな持ってるんでしょうが、なーあんたの頭にだって虱の10匹や30匹いるでしょうが』     『そんだそんだ』と相づち打っている人までいます。
いくら田舎とはいえ、強烈なカルチャーショックを受けました。
パリの美容院でですら、毎日シャンプーします。と言うと、あーたってそんなに汚いの?っていう言葉をおでこに電光掲示板のように流しながらあたしのことを見ます。
初夏の頃、地下鉄や道ですれ違いざまに臭おう、アフリカンの独特の臭いはなんだか、私にとって懐かしい臭いなんです。
思いっきり鼻から息吸ったりします。
アフリカに生まれたわけでも、住んだことがある訳でもないのに。この感覚はあくまでも初夏のみの季節限定なんですがね。