『今野菜がすっごく高いのよー。』『そーなのよ、ちょっと寒さが続くと直ぐ高くなるのよねー』これは今朝、フランスの私と日本の母との電話での会話。母娘だろうとおばちゃん達の会話はこんなもんです。
サラダなんて通常2個で1€50c=約160円で買うのに、1個1€50cなんてぬかします。
ケッもう食べんでええわ。とキュウリとか人参とか大根でサラダにする事にします。
フランスはちゃんと季節に従っているので、冬は野菜や果物の種類も少なく、彩りも地味になります。
そんな冬に登場して、私が嬉しがるのはトピナンブー、英語ではエルサレムアーティチョークだと、先日エゲレスから遊びに来た友達が教えてくれました。日本語ではキクイモ。
フランスではピュレにしてお肉などのつけ合わせとして食べるのが一般的。
私は、あの泥臭さは何かに似ているなーと頭の中を探していて思いついたのが、ごぼう。なのできんぴらごぼうもどきにします。
いつぞや、80歳の友達にトピナンブーの話をしたら、犬の糞でもふんづけた時のような顔をして、我々の時代の人にトピナンブーの話なんてしないでくれ、戦争中そればっかり食べてたから、見たくも聞きたくもない!と言っていました。
 
 
 
ヨーロッパって戦争中でもそれほど貧しい感じがしないんですよね。
ドキュメンタリーや映画を見ても、女の人はワンピースかなんか着て、髪の毛も綺麗にカールさせて、お化粧して、ストッキングにハイヒール履いて。男の人は、スーツに帽子に革靴はいて。日本の戦時中とは大違い。
都会では食料難は有ったでしょうが、田舎は食事も豊かだったように思います。
真実は違うのかな、と常々疑問です。
戦争体験者のにっくきトピナンブー話を聞いてからずいぶんと経って、フランス人の写真家で、ロベール ドワノーの写真展を見に行った時見たんです。
第二次世界大戦中の街の様子で、食料品屋の店先の、『今ある物、スエーデンカブ、キャベツ、トピナンブー。』と書いてある黒板の写真。
本当だー!
黒板には、『次回入荷予定, 代用コーヒー、ワイン。』
『入荷延期、サッカリン入りざくろシロップ。』
と言うのも書いてありました。洒落たもんが戦時中にあったんですね。
ロベール ドワノーと言えば有名な写真が『パリ市庁舎前のキス』
絵葉書売り場にも必ずありますので、あー見たことある。と思われると思います。
 
 
 
 
 
 
これは、数年前にやらせだと暴露されました。
『えーえーあの写真のモデルはあたしらですよ。』と写真の2人がよろりとテレヴィに出てきたこともあります。
アート写真なんだから、やらせだろうがどーでもいいと思うのですが。
ドワノーはヴォーグなどのファッションカメラマンでもありました。
今、ドワノーの写真展がパリ市庁舎でやっています。今大工事中のレアールが市場だった頃から市場を取っ払って大商業スペースへ変身していく様子の特集です。
トピナンブーを見ると、ドワノーを思い出し、ドワノーを見ると、トピナンブー、第二次世界大戦、ユダヤ人、ひよこ豆、とこのあたりからとんでもない方向に思いは飛んで行きます。