フランス国会議事堂

基本的に毎週土曜日に国会議事堂は一般公開しています。予約が必要ですが、定員に余裕があれば予約無しでも入れてくれます。私は朝一の9時30分の見学ツアーに予約無しで行ってみてまんまと入れました。
925 002時間厳守チャッチャと始まりました。先ず身分証明書と引き換えにこのバッチを貰います。そして最初にトイレへ案内するというフランスでは稀な配慮までしてくれました。
日本の国会議事堂にも行った事があります。入った瞬間蕎麦屋の匂いがして本当にガッカリしました。どこも小汚く、乱雑で、行きかう人も市役所の職員的で。へーこんなん?ともう一度ガッカリ。
ガイドに案内されて入っていけば、日本のそれとは月とすっぽん、豪華です、気品があります、我々庶民とは違う人達が働く所です。
925 007ブルボン宮と呼ばれているこの建物は、ブルボン家へ嫁に行ったルイ14世の娘のルイーズ フランソワーズ ブルボンさんが造った建物です。豪華ですがピカピカ下品でなく知性と気品があります。
仕事をしないフランス人と呼ばれていますが、トップの人はトップになるほど仕事をします。国会など朝の4時5時まで続けるのはざら。その日もガイドさんは今朝4時まで公立学校法改正について国会が開かれていたと言っていました。いつぞやの、結婚法改正法案の時も朝までかかった日が何日も続いたそうです。
そのため議員が泊まれる個室も完備してあるそうです。
外から見ると、階段の高い所に扉があってそこから大統領など偉い人が出入りするのかと思っていたらあの厳格な扉は開かずの扉なんですって。見取り図を見ると、外から見える正面と建物の本来の正面とずれています。それは、マドレーヌ寺院とコンコルド広場を挟んで対になるよう後から修正したからだそうです。本当に心憎い美意識をこでも発揮しています。
925 019国会が開催される半円形の部屋はテレヴィで見るよりずっとこじんまりしていて、話がしやすそうでした。議長席は大変凝っていて高い所にあるのですが、一番後ろの席の高さと合わせて設計されているそうです。議長とは進行を取り持つ者であり、支配する者ではない!という意味が込められているそうです。国会中継など見ると、『ピエール君ちょっと話が長すぎるよ』とか『フランソワ君それに関してはもう話したでしょ』などという口調で議長は偉そうでないです。議長はこの国会議事堂に隣接されているセーヌ川岸に面している建物に住んでいます。それだけでも王様の住まいの様です。このような環境の中で寝起きしていれば、カーディガン羽織って、スリッパパタパタ鳴らしながらちょこちょこ歩き回ったり、口をすぼめてチューなんて音たてながらお茶飲んで、挙句の果てにハーッなんて声出したりなんてしないんだろうな。背筋真っ直ぐ、紐の革靴は寝るとき以外脱いだ事が無い生活なんだろうな。環境はなにより大切です。
日本からいらした方も土曜日にパリにいられる様でしたら是非国会議事堂を見学してみて下さい。