PISA

全国賢い子大会のPISA。正式名は『生徒の学習到達度調査』、15歳の生徒を対象に、数学、読解力、科学と3つの部門を計6時間30分かけてテストするわけです。
さて、2012年の結果が発表されました。フランスの新聞の見出しはどれも、『学校教育に警告!』、『我が生徒は劣等生』など、情けながっています。
フランスは、最初の2000年当時は上位クラスにいたんですが、ズルズル落ちてきてなんと、2012年には65カ国中で、数学25位、国語21位、科学26位。これは世界の中心であると思い込んでいるフランスとしては赤っ恥です。
言い訳は、貧富の格差、特に移民の子供達は学習能力が劣る確立がフランス人の子供より2倍高いそうです。
確かにね~。フランス語をぺらぺら達者にまくし立てているアフリカンやアラブ人達でも、フランス語をまともに書けない人は、驚くほど大勢います。小数点の存在がさっぱり分からないモロッコ人の友達がいました。
でもフランス人でも数学と言うより算数の普段で、もう脳みそが干し上がっている人は想像を絶する勢いで居ます。あるルポルタージュで、道で簡単なパーセンテージの問題を問いかけると、殆どの人、(それもしごく真っ当な様子のフランス人)は答えられませんでした。
2012年のチャンピオンはもちろん3部門全部、上海。コレに対して、フランスの新聞は『中国のいかさま』という見出しで紹介していました。中国は特別に上海の学校だけが参加したそうです。許可が下りたんだからいいじゃないの、と思いますがね。
続くのが、シンガポール、台湾、韓国、マカオと真面目なアジア勢が独占しています。面白いのはどこも国と言うか、大国のおまけみたいな小さな国におりこうさんが一杯いると言う事。
ちょっと前までは、フィンランドが優等生で、授業時間も一番短く、テストもなく、競争して良い点を取る事でなく、学ぶと言う事を理解させるというフィンランドの教育方針を、皆素敵だねと思っていたのですが、世の中そう甘くはなかったか!!やはりこつこつとした努力が勝ったようです。
我が日本は数学7位、国語4位、科学4位。とても日本らしいポジションだと思います。
ほしたら、大人部門の賢さ競争がありました。16歳から65歳を対象にした国際学力調査の結果、日本は堂々1位、2位がフィンランド。
フィンランドって図書館も滅法沢山あんですって。まぁね本でも読んでなきゃ、長すぎる夜にやることなくなっちゃいますものね。
夕方帰ってきて、郵便箱を覗くと、ドキッ!息子の学校の封筒が見えます。やだ~やだ~見たくない。時期的にも、封筒の姿からして通信簿が入っているに違いありません。
無意味に目をつぶったまま開けて、深呼吸を1つしてから目を開けて飛び込んできた数字に、あ~これであたしはがん細胞が1つ増えたと思いました。
ムラムラと燃え上がる怒りをたぎらせながら、アホの帰りを待っている間に読んだ新聞に『子供に怒鳴りつけても効果なし』と大きな見出しの記事が書いてあります。なんじゃい!と新聞の記事にまで、当り散らして乱暴に読んでみると、『躾』という言葉はラテン語では『教育』、古いフランス語では『苦悩』という意味だそうです。 いらだたせられる子供に怒鳴りつけるのは、体罰を与えるのと同じ悪影響を与えると、ピッツバーグ辺りの研究者が発表しているそうです。
悪魔の様な気の高ぶりを抑えて、冷静に話し合うのが一番効果的と書いてあります。そんなこと分かっとるわ!それができたらあたしゃ天使になれるわ! 益々怒りは燃え上がりました。
中国でも、台湾でも、韓国でもお母さん達が、ガーガー子供を押してるから世界で1番とかになったんでしょうがね。