日本名物、電車の中の居眠り。治安の悪いパリのメトロで居眠りなんてあり得ない、というのが皆の認識だったのですが、最近居眠りをしている人を良く見かけます。
土曜日や日曜日の早朝メトロの中で、今遊びから帰ってきた、眠くて眠くてという状態の若者が眠りこけているのはあるのですが、平日の朝の出勤時に居眠りしている人を見かけると、へぇ、世の中平和になったもんだと感心します。”芸術の域”と言われている、日本人の立ながらの居眠りの技はさすがになく、座っている人が居眠りしているのですが。
日本では、会議中に居眠りをしていても、あぁ~彼は一生懸命に仕事してよっぽど疲れているんだな。と大目に見られるというか、どちらかと言うと、良し良しと勤勉の証となるというのを聞いて心底魂消ました。こちらでは、戯け!と首になってもおかしくない無様なことです。
学校の授業中に机にうっぷして寝るなんて事をしたら、親共々呼び出されて、大目玉をくらい、どこか悪いから医者か、精神科に連れて行けと言われることでしょう。
日本での、居眠りのポジションは決して、マイナスの方向ではなく、心は他に行ってるけど、そこには居る、出席しているという、”参加することに意義がある!”というオリンピック精神を引き受けているようです。本当に面白い。
日本人の腸は長いから、消化の際に血液が腸に集中する時間が長くなり、その間頭まで血が廻らなくなる為眠くなるという、変なの、と思う説を読みました。
眠気を覚まさせる方法として、耳を思いっきり1分間引っ張る。すね毛を抜く。窒息死するまで息を止める、などお手軽ですが乱暴な方法があるようです。
老人というと、テレヴィの前でうとうとしている場面がよく似合っていますが、私もとっても興味深くテレヴィ番組を見ていたはずなのに、いつの間にか眠りこけていたという現象が起こるようになりました。寝起きが悪く、病人のような状態になるので居眠りやお昼寝はしたくないのですが。。。
フランス人の3人に1人は慢性寝不足だそうです。
そこで、1日を始めるにあたり、メトロでドアが閉まったら、目を閉じる、ドアが開いたら目を開けるを繰り返し、廻りの音を聞いて、瞑想をすることを薦めていました。しかし、絶対に寝入らない事の但し書きです。
睡眠障害を引き起こすブルーライトをたっぷり見ている、携帯やパソコンに浸りきっている世界中の人が今や寝不足になっていることでしょう。
体に良い、禅の精神の生活をしようという流行りの中、携帯は肌身離さず、命より大切となっているのですから、上から見ている神様は、アホかと思っていることでしょう。