本当に世界中に大きなショックを与えたノートルダム寺院の火災。たまたま近くで、アぺリチフを楽しんでいた私達は、何あの煙?と行ってみればぼうぼう炎を上げているノートルダム寺院。嘘でしょ、嘘でしょと百万回繰り返すばかりで呆然です。涙も止まりません。
家に帰って、食事もせず実況中継のテレヴィにかじりついていました。
教会の天井と屋根の間の空間は”森”と呼ばれる通り樫の木組みで成り立っています。何百年、イヤ樹齢千年なんてあり得る木々です。人間も果物もそうですが年を取ればかっさかさに乾燥します。なのであんなに早く広範囲に火が回ったんだと思います。
何時までも屋根が燃ているのを見ていて、何で山火事の時に出動するエアーカナディアンを使わないのかね、と独り言を言ったら、あんなの使ったら建物を壊しちゃうよ。と息子に軽蔑の眼差しを送られました。そうなのかしら?
鎮火した後でもノートルダム寺院は、さすが石造り、威風堂々としっかり立っています。
内部の祭壇の十字架も何事もなかったように金色に輝き、心配した約8千本のパイプがあるオルガンも無事。熱で溶けたりひん曲がったりもせず、分解して掃除をすれば大丈夫との事です。
マクロン大統領は、ここぞとばかりに、我らのノートルダム寺院を再建しよう!とフランス人の一致団結を呼びかけています。すっかり人気が落ちて、やいのやいの言われているマクロンは、そんなせせこましい事言ってる場合じゃないでしょう、ここはひとつ皆心を合わせてフランスの魂、ノートルダム寺院を救おうではないか!てな感じです。5年で再建させるぞ!の意気込みです。
それにしても、欧米の政治家は演説が上手いです。声の強弱、表情、間の使い方、凄い演技力です。そこへ行くと、日本の政治家、しゃべることが商売の弁護士まで、滑舌悪く、”えー”とか”あのー”とかばかりで何言ってんだか分からないのは何故でしょう。
フランスのお金持ち会社も太っ腹を見せて、どしどし寄付金が集まっています。何しろ60%の免税になるそうなので、きっと修復完成後には寺院内のどこかに名前が刻まれることでしょうし、寄付しない手はありません。
素敵なメールを受け取りました。鎮火に携わった400人の消防士達にお礼のメッセージを送りましょう、というサイトです。
現場でも消防士が通ると皆拍手していました。
あまり話題になっていないようですが、1か月ほど前、ダビンチコードの舞台になって、ローズラインがあるサン・シュルピス教会も小火で一部焼けたのです。
カトリック教徒にとって一番大切な復活祭が始まる週にこんなことになって!
南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏。