孝行息子

リリー フランキーという名前を何かで見たとき、あ~オトコオンナのオカマね、と決めてかかりました。その後映画で姿形を見たとき、満員電車に乗っているおっさんみたいな風貌と名前とのギャップであらあらと軽くショックを受けました。そしてその後、東京タワーという本を、著者を見ずに読み始めて、誰これ書いたの?と表紙を見て再びあらあらあら、リリー フランキー。名前と見かけとこれまた大きく食い違っていてびっくり。いい言葉使いだな、このすっきりした文章いいな、と、もともと方言に滅法弱い私は、一層の大粒でボロボロ泣きながら読みました。
こんなオカンだから息子も優しくて、大切に愛してくれるんだな、私には無縁の事だわ、と本を閉じました。
ここの所、朝が肌寒い位なのに日中は日本より太陽の角度が鋭い為、ジンジンの太陽の下で30度という日々が続いています。どうせ直ぐ暑くなるのだからと、朝早く出る時も昼間用の出で立ちでブルリとしながら出かける毎日を送っていましたら、もうバカンスに行ってきたの、と言われるほど日に焼け、その上風邪まで引いてしまいました。
仕事がひと段落着いた翌日から微熱が出て、声が出ません。居間のソファ―に、自分の状況に何も対処していないでぐったりしている母親を見た息子は、封を開けた薬と水を両手に持ってスタンバイ。喉に塗る薬に喉に巻くスカーフにマスクも用意。お昼は、これが何とも息子らしいのですが、あのガサガサのバゲットのサンドイッチ。中に挟んであるハムなどは食べやすいように細かく切ってあるのですが、如何せん、チクチクして呑み込めません。喉通らない、とジェスチャーで伝えると、慌ててヨーグルトや皮を剥いたオレンジを持ってきました。うとうとしている最中時々覗きに来ていた感じで、目を覚ますと熱いお茶を入れてくれます。体がだるいのは見た目には、どんなもんか分からないですが、声が出ないのは一目瞭然の病気なので、かいがいしく動き回る息子を見ていて脳みそでニンマリしていました。夕食は学習したのかお蕎麦を作ってくれました。ちょっとこれは無理してでも完食せなあかんなと頑張る母。
夕食の後片付もきっちりして、手を拭きながら、直ぐ近くにいるから何かあったら電話してね。と、友達との約束も家の近所でしたようです。
親が無くとも子は育つ。アホな母親にも良い子は育つ。
ところで、すっかりリリー フランキーの本のファンになったのですが、他に本は出していないんですかね。