フランス人の考えアメリカ人の考え

前回も書いた今一番のスキャンダルのドミニック ストロスカーン(長いので世間ではDSKと呼ばれています)が手錠を掛けられて連行されているシーンや法廷のシーンをばっちり見せられたフランス人はえらく度肝を抜かされてます。
フランスでは、まだ有罪が決まっていなければ手錠を掛けないし、車は警察の建物の入り口の前にピッタリ止まって、人目にさらされる事が無いようにするのに、アメリカでは、ほれこの人ですよ、とっくりご覧下さい。と人前をたっぷり歩かせられて車に押し込められる。
法廷にカメラが入ることは禁止のフランスでは相変らず、法廷の様子を絵描きさんが写生した絵しか見ることが出来ないのに、アメリカでは、検事や裁判官や弁護士がしゃべっている一言一言まで全開に公開。
これが公平なアメリカってもんだ!ということらしいです。
ですから全くもって日常茶飯事な光景だそうです。
フランス人にはショックです。フランス人のプライドがむちゃくちゃになります。
アメリカでは、先ず有罪が前提で、被告がいかに課せられた罪を軽くする、又は無罪になる為に必死のパッチで証拠やら言い訳を提示しなければならないそうです。
捕まった瞬間に犯罪者になるんですんね。
こういった大きな違いにフランスは戸惑っていまして、半分以上のフランス人が『DSKは陰謀の被害者だ』と哀れんでいます。
まあ皆『明日はわが身』とぶるっとしたんだと思います。
フランスは男女のスキャンダルにはやっぱりすっごく寛容です。
故ミッテラン大統領も、ジャーナリストが『隠し子がおいでとのことで』と質問したら、『ええ、それで?』と何青臭いこと言ってんの、てな態度でかわしていました。
隠し子はミッテランのお葬式の時、正妻のダニエル ミッテランと手を繋いで堂々と歩いていました。
前大統領で相撲に目がないジャック シラクも日本人の妾との間に子供がいます。
皆が知っている事だけど、それはプライヴェートな事、やることやってりゃ誰も文句言い立てたりしません。
アメリカは、お金持ち、権力者などに対しての方が厳しい判決になる傾向があるそうです。
DSKも100万$の保釈金を提示しても、『あんたは逃亡の危険性あり』ときっぱり女裁判官に撥ねられていました。
今は自殺の危険性有りの特別独房に入れられています。
そう言えば、ロマン ポランスキーの事件もアメリカは執念深かったですよね。
1977年に13歳の女の子と不正行為をして捕まりました。上手い具合にフランスに逃げてフランス国籍を取得。
フランスは自国民を身柄引き渡ししないことにしていますので、ポランスキーはアメリカの土を踏まない限り安泰。
(DSKももう直ぐのところでアメリカを離陸できたのに)
いい映画『戦場のピアニスト』でアカデミー賞を受賞した時、被害者もすっかりおばさんになり、もういい加減いいわよ許しますよ、と訴えを引っ込めたけど、ビビッて受賞式へ行かなかったのに、去年だったか、フラフラとスイスへなんだったかの賞を貰いに行ったら、ネズミ捕りのごとく捕まってしまってしまいました。
カリフォルニア州はまだ忘れていなかったんです。
大人なスイスはアメリカの要請通りポランスキーの身柄を渡さず、釈放しました。
元カリフォルニア州知事で、また俳優に復活か?のシュワルツェネッガーも家政婦との間に子供を作って、奥さんに告白したら、ボケ!と離婚となりました。
でも10年以上前に子供が出来て、その家政婦はついこの間までずっと働いていたのに、奥さん気がつかなかったんか?
もう知事でなくなった夫はケネディー家の人間には利用価値無くなったって事でしょうか?
どいつもこいつもしょーも無い。男とは因果なもんだわ。