何処の都会にも路上生活者と改名された乞食が居るもんです。
きっとそれぞれの街に、それぞれの住民と乞食の関係の特徴があることだと思います。
パリの街には住民に溶け込んでいる、愛されている、街角のシンボルになっている乞食が結構います。
うちの近所のミッシェルさんもそうです。
自分の座っている前のしょっちゅう変える飾り付けなど、通る人がホワーンと笑うよう知的なユーモアがあります。
よく誰かしらが隣にしゃがみこんで話し込んでいました。肩を揉んでもらってる人までいたりして。うちの息子も幼稚園への通り道だったので、毎日会って可愛がられていました。
歌も上手いし、話も面白いミッシェルさん。
しかしそのうちワインの壜を握り締めている事が多くなりました。だんだん顔の表情も崩れてきました。
しばらく見かけないなと思っていて、近所の人も忘れかけていた頃、再び現れました。
車椅子に乗って、頭にはサイズの合ってないヘルメットをずり落ちそうに被っています。
あら、元気だったのと近づこうとして、心臓がドッキンとしました。
足が無い!頭の形も妙に変形して髪もまだらにしか無い!
だからヘルメットが頭に納まっていなかったんです。
すっかり外見も中身も壊れてしまったミッシェルさん。
それでも、誰かしらがいつも車椅子を押してあげていたし、誰かしらが話し込んでいました。
先日歩いていたら、道にお花と蝋燭が置いてありました。
イヤな予感がして見てみると、やっぱり、いつも彼が座っていた場所です。夜中に亡くなったそうです。
数日前にスーパーの入り口で会ったばかりなのに。最近は幸せそうでなかったから、やれやれとホッとしているに違いない、と思うことにしました。
路上生活していて一番幸せそうなのは犬達です。
ずっとずっと優しい飼い主とべったり一緒にいられて、一人でお留守番なんてしなくて良いんですもの。
そしてパリの路上と言えば大道芸人!
今一番カッコいい大道芸人はこの人!
サッカーのフリースタイルどうてらこうてらの世界チャンピオンという訳の分からんタイトルの人ですが、カッコいい。
モンマルトルのサクレクール寺院の前で、パリの大パノラマをバックに蹴鞠のようなことをやっているんです。
テレヴィにも出ているそうです。
ロケーションのチョイス良し。音楽のチョイス良し。帽子や服のチョイス良し。マナー良し。ええ子です。
ユーチューブで見てみてください。