パリ市庁舎の横を通りかかると、面白そうなエクスポジションをやっています。
突っ立てるおじさんに、ここから入れるの?と聞くと、どうぞどうぞいらっしゃい、と手招きしてくれましたので、素直に従いました。
日本語では『ナイーヴアート』と言うのでしょうか。
全く絵の勉強をした事が無い人が心の命じるままに創った作品、又は精神が外れたという障害を持っている人の作品を『本能的芸術』というカテゴリーで括っています。
何度かブログでもそんな作品展の事を書きました。だって、私好きなんです。
このパリ市庁舎のエクスポジションはパリ近郊の精神病院の患者達の作品展でした。
何かしらのハンディーキャップがあってもこんな素敵な才能を持っているんなら、別にハンディーキャップではありませんが、なんの人より優れた才能を持っていない私は、彼らの事をずるいなと羨ましく思います。
友達が出展しているのか、障害者の人が沢山見に来ていました。
今朝、テレヴィであのシルヴェスター スターロンが俳優の仕事も芳しくないのか、絵を描きだして、なんとサントぺテルスブルグの美術館で展覧会をした!と呆れた気持ちを丸出しにして放送していました。
こんなのも『本能的芸術』のカテゴリーに入ると思うのですが、ダメです。一番大切なユーモアがありません。きっと誰かに描きかたを習ってしまったんだと思います。
テレヴィの画面に出てきたロッキーはプーチンに紹介された整形外科医に行ってきたのかと思われる、プーチンと同じ膨れ具合の顔になっていました。
ロシアは有名人がしたいと思うお願い事を何でも叶えてくれるお伽の国になったのでしょうか?
税金の高いフランスがすっかり嫌になったフランスの俳優、ジェラルド ドゥパルドューもロシア人になれたし。
下手の横好きでは、アートにならないというのがロッキーの絵を見てつくづく思いました。
殴り書きのように見える、ナイーヴアートには磨かれていない才能がちゃんとあるんですよ。
会場に設置してあるヴィデオで、ダウン症の女の子が『ドラゴンから吹き出ている火!フーゥ、フーゥ』と言いながら腕を大きく回しながら描いている様子を見て、どっかで見た光景だなと考えていたら、ちゃんと思い出しました。タイのチャン マイにいる天才画家の象のなんとかさんとそっくりです。2人とも同じ絵心を持っているのでしょうね。羨ましい限りです。
パリ市庁舎で11月9日までやっています。