前回のブログ、レッドボールプロジェクトで台湾の不思議なポジションの事をちらりと書きましたが、またまた思い知らされました。
4月29日は国際ダンスデーです。19世紀に初めてモダンバレーを創作した何とかさんのお誕生日に因んでこの日に決めたそうです。政治、文化、民族を超えてダンスによって平和と友情を育もうという日です。
それで見に行ったのが台湾のカンパニーのダンス。ひょ~、美しいです。体もお顔も美しいです。写真で見るダンサー達の素顔はただの台湾人の顔なのに、きっと輪郭が整っているのでお化粧であんなに見栄えが良くなるんですね。
私の大好きなバッハのチェロ無伴奏をバックに踊るダンスも、東洋の音をバックに踊るダンスもこのカンパニー独特のカラーでしっくりと自分達の物にしています。ステージ全体の色使い、照明、衣装、音楽どれもセンスがいいんです。
動きの基本は太極拳だと私は決め付けました。
このカンパニーの主催者であり、振付師 Lin Hwai-minさんが又カッコいい。
世界中に名をと轟かせている天才振付師!だそうです。22歳になってからアメリカに留学したというわりには綺麗な丁寧な英語でユーモアも交えた教養高いスピーチをしました。きっときちんと台湾で英語を身につけていたんだと思います。71歳とは思えぬフレッシュでチャーミングな方です。
こういったイヴェントの時、イライラしちゃうのが次から次から関係者がスピーチする事です。だらだらつまらない事を紙を読みながらしゃべっているフランス人が続いた中、Lin Hwai-minさんのスピーチは知的で感動的なものでした。そして爆笑スピーチをしたのが、Michel Ching-Long LU さん。なんと在仏台湾大使です。最初っから台湾人の指人形を両手に持ってコメディーを始めました。フランス語は下手にもかかわらず、おかしなことをしゃべるわしゃべるわ。観客は最後まで笑いっぱなし、最後はブラボーの大拍手です。こんな大使だったら何処の国とも友好関係が結べる事でしょう。フランスで大使になってからまだ4年ぐらいなのにもうパリ郊外に彼の名前の道があるぐらいですからね。
台湾人は相当インターナショナルです。英語や日本語教育への力の入れ方も本気です。外国人を呼ぶ体制も日本よりずっと整っているそうです。中国との関係でハラハラする自国を後にアメリカなどへ出て行くことには誰しも積極的だそうです。そうやって散らばった華僑の太っとい絆が世界中で絡まりあって外国との関係作りが得意なのでしょうか。
日本に進出していない、フランスの最高級トリフのお店、『メゾン ドゥ ラ トリフ』、皆の好きな『ロクシタン』のスパ、葡萄のエキスのオサレなコスメ、『コダリ』など、何故か東京を差し置いて台北にはあるんですよ。やっぱりあの大使のお蔭なのでしょうかね。あんな風に外国にいてもリラックスしていられるという事は、自信と余裕があるということでしょうね。中々我が同胞には出てこないタイプです。
私が、昔々その昔に何度か行った時は、台北でも日本のド田舎のような様子で、漢方薬屋で、火くぐりなんかのパフォーマンスをして、この薬があれば火傷もへの河童ってな体を張った宣伝を台湾バナナを食べながら見ていたもんです。おフランスのブティックがあるなんて想像もできません。
今回のこのダンスカンパニーを見て俄然台湾に興味を持ちました。
今度帰国した時に寄ってみようかしら。