ナンポルトクワ

日曜日の13時半頃家を出ると異様な雰囲気。人がぞろぞろ歩いている、それも道の真ん中を。はて?と見回してみると道の向こーの方からデモ行進が始まる所でした。
しかしよくある労働組合とかのデモと違う様子です。子供連れも混ざっています。何が言いたいデモなの?と手にしているピンクの旗を目を凝らして見て見ると、『誰でも結婚できるは反対!』と書いてあります。このところフランスで討論されている同姓結婚の合法化を認めない側のデモでした。カチンカチンのカトリック教徒だけでなく、ユダヤ教徒もイスラム教徒も仏教徒も反対しています。フランス全体的には半分強が賛成、半分弱が反対だそうです。しかしこの13日の反対デモは大規模でした。警察の発表では34万人、主催者側の発表では80万人、テレヴィでは50万人と相変らず自分の都合で数字がまちまちですが、16時になってもまだ人がうようよしていましたから相当な数である事は間違いないです。
そもそもフランスは1999年からパックス手続きをすれば同姓、異性の成人のカップルを結婚しているカップルとほぼ同等の位置で法的に認めています。当初は結婚できない同姓のカップルが喜びに胸を膨らませてパックスを結びました。そうすれば片方がエイズで死んでも遺産相続できるし、税制も結婚カップルと同じに優遇されます。
2人で好きに作ったパックス契約書を裁判所に提出するだけで成立。別れる時は1人が一方的に解消処置をとることができます。となると、離婚するのが難儀なフランスなので、こりゃええわと異性カップルも結婚なんてめんどいことをしないパックスカップルがぐわっと増え、今では異性カップルの割合の方が同姓のそれより断然多くなっています。私の周りでも孫まで居る仲良しカップルも聞いてみればパックスカップルだし、真面目に結婚手続きをしたカップルと同じぐらいの割合が居るようです。
同姓カップルにとっては、このパックスでもう充分素敵じゃないの、と思うのですが、パックスと結婚の大きな違いは子供の養子縁組が認められていないという点です。異性カップルなら誰に咎められることなく心置きなく子供を作れますが、同姓カップルでは、こればっかりはどーにもこーにもなりません。
ほしたら、オロンドフランス大統領が選挙の公約で、『私が当選した暁には同姓婚を合法化いたします。』と打って出たわけです。
パックスでカップルの形として認められるだけじゃ足りなくて、我々だって子供が欲しい!とはあまりにも欲張りすぎ。
子供という1人の人間をお父さん2人とかお母さん2人という子供がいないのが当然の環境に関わらせるのは自分勝手だと思います。
この事は何度かブログにも書きましたが、同姓カップルに対しては全く異議なし、もし家の息子がホモになっても気にしません。
でもそこに養子など関係ない人間を混ぜるのは反対します。あまりにも何でもかんでものめちゃくちゃ過ぎます。そのうち最愛の犬や馬と結婚したいなんてのが出てきますよ。こなん時、フランス語でナンポルト クワ (n’importe quoi)と言います。
ジョディ フォスターもとうとうカミングアウトしましたね。あたしゃ、前からあの足はレズの足だと思っていましたので、ほーやっぱりです。
東欧ではマイナス50度、オーストラリアでは50度、南フランスでは20度で海岸で日光浴してる人がいて、イスタンブールやアテネで雪が降って。
昨日は東京も怪我人が出たほど雪が降ったそうですね。パリも昨日から雪が降ったり止んだりです。地球もナンポルト クワになりました。