鼻がぽっきり折れるかと思うような寒さのパリです。
耳はコアラの耳みたいなモコモコ耳あてをつければいいのですが,鼻はどうしたもんか?
日本ならマスクをすれば解決するのですが、この辺りでマスクは異様過ぎて怖がられます。
私もめっきりマスクには不慣れになったので、時々日本からの観光客がパリの街中でマスクをしているのを見かけると、あのマスクの下はどんな事になっているんだろうとブルッとします。
もっと怖いのは飛行機の中、マスクの人が隣に座っていたらもう怖くて怖くて絶対席を変わってもらいます。
そんな大寒波の中、家へ帰るのにバスを待つのも寒すぎるので歩きながらバスが来たら捕まえようなど思いながら、後ろを振り向きながら家への道を歩いていたのですが、もう鼻がどうにもこうにも痛くて、キャフェへ入ろうと道を渡った所で思い立ちました。
そこにEDFのギャラリーがあるんだわ、何かやってるかしら。
EDFというのはフランス電力みたいなもんです。
以前どっかのブログの中でお話したと思います。
元々変電所だった所をメセナでギャラリーを作り個性的なエクスポジションを定期的にしています。
折れそうな鼻を押さえながらドアを開けると、ヨー、真っ暗。
白いペンキのあっちという矢印を頼りに進んでいくと、巨大な岩のようなものがぼよよーんとオレンジや黄色や赤屋の色に変化して不思議の世界。
なんの予備知識もなく行ったら、いきなり暗闇でぼよよーんが置いてあって、?????? でも好き好きこの世界。
なるほど、ヤン ケルサレのエクスポジションでした。
ヤン ケルサレさんは1955年生まれのフランス人アーティストです。
『光で闇を彫刻する』という彼の作品は照明デザイナーとも違い、なんと分類されるんでしょう。
実際彼が照明をつけた建物は暗闇に浮かぶオブジェです。
身近でもケルサレさんの作品を見られます。
パリで一番新しい美術館のケ ブランリの照明やシャンゼリゼ通りの照明も彼の作品です。
彼の作品集のヴィデオを見ていたら、後ろに座っていた人が、電気の無駄使いも甚だしい、とプンと言っていました。
丁度この大寒波で電気の使用料が過去最高になり電気が足りなくなる可能性が大きいから皆さん節電しましょうというキャンペーン中なので特に思ったんでしょうね。
照明に対する日本人とヨーロッパ人の考え方は全然違います。
日本へ行くと目がちかちかするという人、フランスに来ると暗くて何も見えないという人。
はっきり言える事は、ヨーロッパ人の照明のセンスは抜群です。
何しろ暗いし、心霊写真のような物しか撮れませんでした。
お伝えできないのが歯がゆいのですが、とても楽しいエクスポジションです。
3月25日までやっていますので、ボン マルシェデパートや新しいエルメスへ行くついでに見てみてください。
メセナですので無料ですし。
L’ESPACE FONDATION EDF
6 RUE RECAMIER 75007