私のブログを読んでくださっている方は、『もしかしてこのババア宗教オタクかしら?』といぶかっていらっしゃるんではないかといぶかっております。
私は宗教オタクでもカブレでもございませんが、興味は尽きません。何しろ分からない事ばかりなもんで。
火を見るように明らかな証拠も無いものをどうして心身全部を持って信じられるのか?
何処の国の何処の街でも世紀を超えても観光名所になっている、お金と意地をたっぷりつぎ込んだ教会やお寺やモスクなどの存在も不思議。
などなど、宗教に対して常日頃?マークを持っているわけです。そんな心持で居ると関係者を引っ張るのか、かの超有名な修道院に日本からミッションでこられたシスターと知り合いになりました。
近くへ行ったついでにちょっと寄って立ち話したり、住居地区にある小部屋に呼んでもらったり、一緒に散歩したりとチョコチョコお邪魔しています。
何しろ楽しい方です。ざっくばらんで、近所のおばちゃんと話している気軽さがあるのですが、その中に私は亡くなった作家、須賀敦子を感じたんです。
シスターとお話した帰り道はいつも、失礼な事を言ったんではないか、あーきっと気分を害してしまったに決まっている、と自己嫌悪にとっぷり陥ります。
自己嫌悪になるほどしょーも無い質問をシスターにぴんぴん浴びさせてしまったお蔭で分かった事は。
お家は代々、女子の学問は聖心女子で、男子の職業は医者か官僚が決まりというお家柄の御出身。お姉様も従姉妹様も全員聖心だそうです。
シスターご自身然り。そして小学校5年生の時にシスターになると心に決められたそうです。親御様は大反対、女子は学問が済んだら然るべき所へ嫁に行くものだからです。ましてやキリスト教なんてもってのほか。
宗教への熱い思いでジンジンの13歳のシスターは、絶対君主のお父様が長期海外出張へ出られた隙に、まんまと洗礼を受けてしまったそうです。未成年なので洗礼には親のサインが必要でした。お父様を恐ろしがるお母様を脅してまで決行を果たしました。
あー聖心出身という共通点がシスターと須賀敦子にはあったんだ。この共通点は大きいのだな、お父様の存在のあり方も似ているな、あながちあたしの感じた感覚は狂って無いな、なるほどなるほどと思って次にお会いした時は、須賀敦子の本を全部持っていって、読んでみてーなんて押し付けてきました。先日なんて、ダヴィンチコードなんかも置いて来たりして、迷惑この上なかったかしら、でも本読むのは好きって言ってたし、何でも読むって言ってたし、これらはまだ読んでいないって言ってたし。。。。とまたもや反省しながら家路につきました。
小学校5年生から決めた人生、まっ直線で迷いもためらいもなく突き進んでいる、それも、きばっているわけでもなく、まったく自然で、この人生以外ありえないという安泰さもあるシスターの人生。いつも、『いいなーいいいなーシスターは』と羨ましがっているあたしに、『あらー私にも悩みぐらいあるわよー、人間ですもの。』と笑って言います。そんな事聞いたら、『何が?』ととことん聞いてみたくなります。
フランス語で、『物を言う前に舌を口の中で7回まわせ。』と言う言い方があります。要はじっくり考えてから喋れ!と言う事です。
これを肝に銘じるようにします。