ニッポンの独得

飛行機を降りるや否や、飛行機と蛇腹の通路の隙間からくる、ピザ窯の前を通ったようなぶわ~んとした熱を感じてオー日本に着いたと噛みしめます。
一歩日本に入れば、ま~皆愛想の好いこと。そして何度聞いてもいちいち驚くのはあの声としゃべり方。どっからあんな声が出てるんだか?歌うようなしゃべり方も不思議。『XXX で~ぇす~ぅ。』 とか 『XXX ま~ぁす~ぅ。』 とか拍子が付いているんです。若者だけでなくあ母さん世代もそんな調子。とても優しいトーンなのですが、どうか気を使わず、普通に話してくださいと頼みたくなります。
さて、電車に乗ろうと思ってもあっちこっち字だらけで、パッと必要な情報が分かりにくいと思うのは私のアンポンタンぶりが益々勢いづいたということなのでしょうか?
どこに行っても直ぐにわかるのはトイレの場所、それも至る所にあるのには感心します。ヨーロッパでトイレの不便さを嘆くトイレ天国からいらした日本の皆様の気持ちが良くわかります。
100円の買い物しても、レシートを両手でくださるレジの人の仕草は、日本体験有りのフランス人の友達も感動して真似して面白がったりしますが、でもほとんど目は見てくれませんね。丁寧、敏速な仕事を求められていれば、いちいち目を上げている暇なんてないでしょうけれど。フランス人は、あーたあたしの写真が欲しいの?ってぐらい人のこと見ますんで、なんか物足りない感じ。
ブティックや飲食店など、その辺中求人しているところを見ると、慢性不況とは言えいくらでも働こうと思えば仕事はあるんですね。フランス人はさぞかし羨ましがることでしょう。
街中でフランス語を思いの外よく耳にしたのも面白い。日本で聞くフランス語はなんか変。日本の空気と合わない感じ。湿気がいかんのか?
パリから持ってきた服もなんか変、色が違う、太陽のせいでしょうけど。冴えない感じになります。
地震後初めての日本なのですが、夜、首都高を走っていてやっぱり東京は暗くなったと思いました。
人の動きもゆっくりになったように感じます。前はよく駅などでモタモタしてチッと舌打ちをされたんですがね。
バスなんかに乗ろうものなら、病気の亀かい?と思うようなスピードでそーと進んでいきます。ほして、運転手は、止まりまぁ~すぅ。右に曲がりまぁ~すぅ。とか囁きながら運転しています。
パリのバスも地下鉄も立っていられない位、乱暴な運転なのに。ホレ、終点、降りて!ぐらいしか言わないし。
ほんわり、平和で国全体が幼稚園みたいな日本、こんな国めったにありません。
日本の、住んでいれば当たり前の独得をこの夏は特集していきたいと思います。