ニッポンの独得 周りの目

日本に帰れば、宿泊地は実家がメインとなります。なるべく、「本当にあの子が来るとクタクタだわ」と言われないように気を使って、買い物や掃除など積極的に参加しているのですが、どうも母には気に食わないことが多々あるようです。
一番ハラハラしているのは、あたしのゴミの捨て方。牛乳やヨーグルトなど、食べりゃポイッとゴミ箱に投げ込むのが常識のフランスで主婦をやっておりますもんで、「ちゃんと洗ってから綺麗に畳んで捨てるものよ」と怒られても、何故?? アホくさっ とこっちがチッときます。
住宅地なもんで、決められたゴミを集めるところがあります。そこの、まぁ綺麗なこと!カラス対策の網は綺麗に畳まれ、いつでも誰でもすぐに掃除ができるように、ほうきや塵取りも用意してあり、真っ直ぐにかけてあります。近所のどこのゴミ収集所を見てもきっちり綺麗。実家の草ぼうぼうの庭よりずっと整っています。
感心しながらパリの我がアパートのゴミ収集所に思いを巡らしますと。ゴミはアパートの管理人か、掃除業者の人が担当です。毎日、夜中か明け方に来るゴミ収集車に合わせてゴミ箱を出し入れします。なのに、いつもゴミが氾濫していて、臭いです。段ボールなんか畳んで捨てようなんて思いつく人は皆無です。昔、近代的なアパートに住んでいる友人が各階にあるゴキブリの元であるダッシュボードに食事が終わったお皿から直接残り物を捨てているのを見て肝が潰れたことがあります。うちの母が見たら間違いなく心臓発作を起こして死にます。
パリでは、本来ビン用、段ボールやペットボトル、小さな家電など用、普通のゴミ用の3つの分別があります。が、ビン用と普通のゴミ用の2つしかゴミ箱を置かないアパートもたくさんあります。なぜなら、ゴミを出す人がめんどくさいから。普通のゴミ用の箱に、分別が分かんなかったら、ここに入れて。とも書いてあるので、大変いい加減な分別です。
日本人の清潔感は世界一のはずです。道行く犬だってフランス人よりいい匂いをさせて、爽やかです。ドラッグストアーがあんなにそこら中で派手にしているし、シャンプーや石鹸のコーナーは何故ここまで?と思うほどの充実ぶりです。臭い犬や人なんかいないです。先日、サッカーの試合観戦に息子に連れて行かれました。子供ばかりと思っていたのですが、ビールなんか飲んでいるのでちゃんと大人のようですが、ともかく若い青年ばかりが、エキサイトしてムンムンしていたのに、フランスではあり得ないことに臭くないんです。試合中それが不思議でたまりませんでした。時々空気の流れで臭う獣の匂いは息子の物、顔に似合わずすっかりフランス風味になったようです。
フランス人は週に1回ぐらいしか買い物しないです。パリでは、土曜日に一週間分どか~んとスーパーで買って配達してもらうというパターンが多いと思います。私も嫌々ながら週1のペースで買い物に行きます。反して日本の主婦は小まめに買い物するのが好きなようです。母のペースもほぼ毎日。
家から一番近いスーパーへ行くにも信号が2つあります。車がいなけりゃ、信号が赤でもおまわりさんが、ホレさっさと渡って、と催促するフランスに長くいますと、車がいない赤信号に止まっていることが拷問にも思えます。ドイツに行ったとき、信号無視は罰金取られると散々現地の人に言い含められた息子は、渡ろうとする私に、日本は罰金取られないの?とおびえた目で聞きます。
ゴミにしろ、信号にしろ、匂いにしろ常識知らずと思われるのが嫌だから、めいっぱい気を使うんでしょうね。そしてそういったことを守らない人のことを非常識と人々は思うのでしょうね。
周りの目!をきちんと認識していなければ、上手に日本で住んでいかれないでしょうね。