シャルトルの大聖堂は有名で、パリからちょっと遠足に行くのに丁度良い行き先です。でも大聖堂にあんぐりしただけで帰ってしまってはいけません。
バスで15分ぐらいの郊外にそりゃあ魂げる物があるのです。壁も床も椅子もミシンもストーブもベッドも全てにモザイクされている家『ピカシエット』を見なくてはいけません。
1931年から、拾ってきた割れたお皿やビンなどで自宅の外壁をモザイクで飾り始めたレイモン イジドールさん。勢いが止まらなくなり室内、そして物にまでモザイクし始めました。そのうち頭の中までモザイクになったようで精神病院に2度ほど入院しました。それでもモザイク熱は冷めやらず、かえって益々猛烈度が増し、裏の方に部屋を増築しチャペルまで造り、モザイク作製は続きます。もう彼の目はすっかり寄り目になっていたに違いありません。
15トンほどの割れたお皿などが使われているそうです。1983年に歴史的建造物に指定されました。
フランスには他にも似たようなお頭のつくりを持っている、郵便配達人シュヴァルさんという人がいました。1836年生まれ1924年没の時代の人です。彼が33年かけて創った石で出来た建築物『パレ イデアル』は1969年に歴史的建造物に指定されましたが、その際多くの議員が反対し、文化大臣などは”全く持って醜い、狂気の沙汰!”とお手紙まで書いたそうです。
ガウディーもきっと同じ仲間だと思います。共通点は熱心なカトリック教徒だったということが面白いです。
ナイーフアート、ナイーフ建築、又はアートブリュットなどと呼ばれているこれらの作品を嫌う人は、ユーモアが分からんのか、と思います。見ているとクスとかウフフと笑いが出てくるんですがね普通は。
シャルトルに行かれたら必ず寄って下さい。一人で不安な方、キフキフパリが喜んでご案内いたします。
MAISON PICASSIETTE
22 Rue du Repos 28000 Chartres