ヴェルサイユといやぁ、宮殿にしか行かない方が大半だと思います。私個人的には、宮殿より感極まる所があります。それは、『ジュ ドゥ ポーム』と言われる球戯場です。
ジュ ドゥ ポームとは、初期は手のひらでボールを打ちっこし、そのうちハエ叩きの様なラケットが使われた、今のテニスの前身です。スクワッシュに近い形で室内で行ないます。パリのチュイルリ公園のオランジュリーの横にあるジュ ドゥ ポームもルーヴル宮の球戯場でした。
ヴェルサイユのも、宮殿に住んでいる貴族達のコートとして造られました。
ここでフランス革命の発端が起こったという、フランス歴史上欠かせないヒストリーがある場所です。
そうです、3部会の第3身分である、ブルジュア、農民などの労働者達が立てこもり『憲法を制定するまで解散しないぞ!』という有名な『球戯場の誓い』を立てた所です。それから1789年のフランス大革命へと進んで行くんです。
必ず教科書に出てくる絵そのままが残っています。ここで、雄弁家のミラボーがいのししの如く演説していたのかしら、とか大魔王の様なロベスピエールがルイ16世を処刑せよ~と泡吹いて叫んでいたのかしら。なんてうっとりとしてしまいます。何しろテニスコート1個分ぐらいの狭さで、人は殆どいないので、とっぷり妄想の世界に浸れるわけです。
もう一つ好きなのは、『王様の畑』。ルイ14世の命令下で造った畑です。今では国立高等園芸学校になっていますが、畑を見学する事が出来ます。ルイ14世も『畑にでも行こうぞ』とお散歩に来たそうです。
併設しているブティックでは、そこで取れた野菜や果物、フルーツジュースや蜂蜜なども売っています。
お城の直ぐ近くなので、1時間多く滞在してこれらを見てみれば、すっかりフランスの歴史に溶け込めます。