パリの夜長

殆ど薄ら暗い毎日。
今日は4度もあったから、かなりほんわり優しい空気でしたが。
こんな天気だと外に浮かれ出る気も失せ、家で丸まって猫になってる事が多くなります。
しかしながら、如何せんフランスのテレヴィって詰まんないんです。
これでもすっごく発展してるんですけどね。
昔、昔は夕方からしかテレヴィ番組ってなかったんですよ。
昼間はただの箱だったんです、テレヴィと言う物は。
その頃は、まだ私は、いたいけな娘っ子の旅行者でしたから、何かの間違いでテレヴィが点かないんだろうと自分に思い込ませてました。
だってテレヴィ大国のニッポン出身の人間には想像できない事柄でしたから。
流石に今はいつ点けても何やかんやはやってると思います、きっと。
フランス人にとって、テレヴィとはちょいと低脳な物で、持ってるの恥ずかしいから、居間に堂々と置かないで、蓋して隠してただの家具みたくカモフラージュしたり、寝室にそっと置いておく代物、という感覚が根っ子に張り付いていました。
その根っ子をまだ持ち続けてる人々はかなりいます。
あーあー、テレヴィも詰らんし、こんな暗かったら、鳥目なんだか、よる年波なんだか本を読むのも長続きしなくなってきたしな。
こんな夜はコンサートに行きましょうよ。
超一流コンサートでも聴くことはできるんです。
シャンゼリゼ劇場の20時からの殆どのコンサートが、5€の天井がよく見える席のチケットを当日19時から販売するんです。
身を乗り出さなければ、舞台は見えませんが、コンサート会場のあの空気、振動は味わえます。
あほテレヴィ見てるよりよっほどいい気持ち。
12月10日はミツコウチダさんのピアノとセイジオザワさんの斉藤記念オーケストラです。オザワさんお元気にいらして下さるんでしょうか?
すごいでしょ、豪華でしょ。あー嬉しい。