2つの集合住宅を見るために郊外電車A号線に乗ってたどり着いたのは、ノワジー ル グラン モン デスト。駅を降りた感じはやはり恐い。ここは何処ですか~?道でとうもろこし齧りながらたむろっている人が多いし、読めない文字の看板のお店も多いし。。。
見渡す限りアジア人は私だけ。フランス人らしき人種も見当たりません。怯んではいかん!と颯爽と目的地、ピカソアリーナへ。
あるはずの道を曲がって行っても、あれ?ここかいな?期待は大きく萎み、たむろっている若者が一段と増えていく道を毅然とした気持ちも弱りながら進んでいきました。
奥のほうへ入っていくと、これやこれや!見たかった変てこな建物が現れました。1985年に建てられた、低所得者向けの集合住宅です。
大きな丸いお顔の様な形の建物に、像の鼻の様な柱が連なり、その像の目玉みたいなのが照明という按配です。なんともユニークです。この中に540世帯も入っています。
窓を見る限り何処も乱雑な住み方をしているよう。押入れを裏から見ているようです。
建築家はウズベキスタン人でバルセロナで勉強したマニュエル ヤノウスキー。素晴らしい、ブラボー。
ピカソが偉く興味を持ったので、『ピカソアリーナ』と名づけられたそうです。
すっかり気を良くした私は、ネクスト!と勇ましく歩き始めました。勢いつき過ぎて考え無しに方向だけで歩いたお蔭で迷いまくりながらも、恐喝にも強姦にも会わず無事到着したのは、アブラクサス。ここも1983年に低所得者用住宅として建てられた建物です。建築家はやはりバルセロナのリカルド ボフィル。
ガウディーの血は面白いですね。
ここは近代未来映画の撮影に良く使われています。
600世帯も入る巨大さです。ピカソアリーナもここアブラクサスもプレハブ工法で合理的で安上がりに造られていまが、30年前に建てられたとは思えないしっかり度です。
ル コルビジュエもプレハブ集合住宅を造る時に大いに参考にしたそうです。
低所得者用住宅を立派な建築家に注文し、奇想天外な建物を造る事にGOを出してくれた偉い人、ありがとう!
もう迷わずに行かれると思いますので、ご希望の方はキフキフパリまで。見ごたえあります。