公園やキャフェでも若者達が、友達と真剣眼で教科書やノートに見入っている珍しい光景が見られるバカロレアの季節です。
木曜日の理数系の数学の試験がとんでもなく難しく、模擬試験でもちっとも出なかったような問題が出て、皆相当慌てふためいたようです。フェイスブックでは、『そうだそうだ難しすぎた!』と50000以上のサインが集まり、教育大臣も、『なるほど、ちと難しすぎたようだね、考慮します。』と対応しました。
今時、バカロレアを持っていて当たり前、肝心なのは何の評価がついているかが重大です。
とても良し、良し、まずまず。の3段階があります。とても良しが付いていればより取り見取り、何の評価も付いていないと、学部は希望が通っても、あまり良くない校舎へ行かされます。
それに、評価付きだとプレゼントも色々あります。
モンルージュというパリ郊外の街は、とても良しと良しの成績の子達に780€プレゼントします。
ニースでは400€プレゼント。
銀行も評価により、160€、80€、40€とプレゼントしてくれるところが在ります。もちろんその銀行に口座を作ったらの話ですが。
何しろ、バカロレアが無きゃ、その後の人生話になりませんので、皆必死です。不正も毎年発覚します。去年なんて、お母さんが必死のぱっちで若作りして娘と入れ替わって試験に臨んだという破れかぶれな親子もいました。
携帯が一番のズルする道具なので、試験会場には携帯探知機があります。
不正がばれたら5年間は試験を受けられません。もうこの世の終わりです。
ナポレオンのアイディアで始まったバカロレア試験、フランス人にとって人生最初の難関です。