パリの北駅から15分弱電車に揺られてれば温泉に行かれます。 悪名高き街サン ドニを通り、窓の外は怪しい郊外丸出しの眺め。乗客もアフリカン、アラブばかり。何時身ぐるみ剥がされるか警戒態勢を維持したまま電車は無事ENGHIEN -LES-BAINSに到着。
駅を出ると隣街とはがらりと一転して、温泉の匂いが漂う、まがい物のスイスの田舎風の街並です。駅から温泉があるアクアパークのような所まで歩いていると、堅実な裕福な人達のきちんとした住宅が連なっています。 街の4分の1ぐらいを占めている湖の周りには、公民館の様な庶民的な佇まいのカジノもあり、ますますスイスのがんもどきのようです。
ここ、オンギャン レ バンはパリ近郊で唯一の温泉が出る所です。19世紀に温泉が発見され、鴨をその温泉水に付けておいても問題がなかったので、人間も入るようになったそうです。
ルイ18世も足の潰瘍をこの温泉で治したそうです。一番利くのは、呼吸器の治療です。温泉治療専門のメディカルセンターもあります。益々酷くなる大気汚染でアレルギーや呼吸器の問題を抱える人が多くなり、商売繁盛のようです。
19世紀当時からブルジュワ達がパリの喧騒から逃れてここに住んでいたそうで、今でもツンツンした感じはあります。 小さな街なのに、エクスポジション会場はいくつもあるし、毎週日曜日は湖畔でコンサートがあり、カジノでは、毎年ミス パリとミス イル ドゥ フランスのコンクールを開催しています。文化的なリッチな街な訳です。
街の住人の家も蛇口をひねれば温泉水が出てくるの?と聞いたら、それはありません、ただの水が出てきます。とがっかりなお返事。ここに週末の別荘があったら素敵だな、もし蛇口から温泉水が出てきたら、と思ったのに。 温泉に入れる所は『SPARK』という所で、お風呂、サウナ、ハマム、スポーツジム使い放題、1日遊んでてもOK!60€也。もちろん別途でエステもあります。旅の疲れを取りに行こうという方、水着をお忘れなく!ここが日本の温泉との圧倒的な違いですね。