先日、友達の展覧会のオープニングパーティーの帰りの地下鉄で、生まれて初めて席を譲られました。
んま~お優しい事、と、どこっらしょと腰掛けてから不安になりました。何故私は席を譲られたのか???
その日は、血迷ったのか珍しく花柄のスカートをふんわり着ていたんです。それが余計ババア度が高く見えたのでしょうか?
パーティーで、シャンパン3杯しか飲んでいなかったので、普段以上に冴えて、さあ家に帰ったらあれして、これしてとしゃっきりと段取りなんかも立てていたぐらい私はきりっとしていました。
決っして、ふらついていたり、ぼやけた様子はしていませんでした!
横目で、席を譲ってくれた方を盗み見てみると、30代位の普通の男性。きっと小さい時から徹底的にレディーファーストを叩き込まれて、女性がそばに立つと、条件反射で立ち上がる癖が付いているんだわ。
今でもヨーロッパでは、女性がテーブルから立つと、礼儀として自動的に立ち上がる男性がいますから。きっとその系統なんだわ。と自分に言い聞かせましたが、不安は消えません。
私は、気軽に席を譲ります。パリで気まずいのは、ただのデブか妊婦かの見分けが難しいこと。
日本で気まずいのは、席を譲られた人が、いつまでもお辞儀をしてお礼を繰り返す事。
前回の夏、バスでおじいちゃま、おばあちゃまのカップルに席を譲ったら、家に帰って2人で食べようと買ったであろうケーキをティッシュに包んで1つくれました。
今年の夏は、後ろ向きで、よたよたしたおばあちゃまに、お座りになりませんかと声をかけたら、振る向いた顔は私より若いんじゃないかという、しまった!ということもありました。その方も下りる時扉が閉まるぎりぎりまでお辞儀をしていました。
先ほどもバスで席を譲ろうとしたら、あたしゃ座ると立てなくなるからいいの。と言われました。
そう言われると、ほっとして、あたしだって疲れてるんだから座ってたいのよ、と良かったと思います。
やれやれ座れたと思いきや、年寄りが乗ってくると、ババアこっちくんなよと心で願う時もままあります。
私は、『あ~そんな事しなくていいから、おばあちゃんは座ってて』と周りに言われたり、誰が前に立とうが席を譲らなくてもいい年齢に早くならないかな、と切に願っていたんですが、どうやら夢見るほど遠いい事ではなくなってきたようです。