かぼちゃよ、何処へ

11月は自殺の季節。
なんのイヴェントもなく、日増しにがんがん暗くなってくるし、雨は降るし、あーもう冬がそこまで来ちゃった。どっとこの世の終わりな気持ちになるのは、よーーーーく解かる。
だから、とあたしは思い込んでいたんだけど、10年ぐらい前からフランスでもハロウィ-ンがはやり始めたんです。ちょっとしたお祭り気分になるために。(とあたしの解釈)
田舎では、アメリカ人を真似して、子供達は仮装して、お菓子をねだりに、近所や隣村まで行ったりして。
始めは、おばあちゃん達は怖がって、鍵を2重に掛けて、とっとと行っとくれ!と子供達を追い返したりしてたけど、そのうち慣れてくると、おや、何にもないよ。と言いながらも、畑で採れた本物のかぼちゃをくれたり、(貰った子供達は.困り果てて、親がリアカーもって取りに行った)違うおばちゃんも、やっぱり。 おや、何にもないね、と言いながら(フランス人はちゃんと前もって用意なんて出来ない)自分のおやつのビスケット1箱くれたり。本当になーんもない人はお金をくれたり。子供達はウハウハ。
しかしパリでは、どうにもこうにも、流行りようがない、なんせ人ん家の建物自体に入ることからして簡単でないのだから。仕方なく、お店やキャフェを回ったりしたらしいけど、成果は期待薄。
それでも街中、何処もかしこも、かぼちゃのオレンジ色と魔女の黒色だらけになっていて、お蔭で、楽しげで、明るい色合いの様子になったのに。それも、いつの間にかすっかり忘れられて、今はオレンジのオの色も見かけません。
やっぱり、事前に知らん子の為にお菓子を用意して、来るとも分からん子を待つなんて事は、フランス人の気質に合わないのかしら。
街は又,前のように、グレーのどんよりカラーになりました。