今年の冬のパリはご存知のように永遠延々の雨です。晴れた!と喜びもつかの間、ごろりと心変わりしたように雨が降ります。その代りあまり寒くないのですが、それが隙を作るのか、外に出ればくしゃみと咳の嵐です。
先日、混んでいたバスの中でベビ―カ―に乗っている赤ん坊がゼロゼロ咳をしていたんです。近くにいた私は息を止めて首を反対側の方に捻じ曲げて抵抗していました。何しろバスは混んでいます、移動できません。もうあかん、とぶわっと息を吸ったその瞬間、赤ん坊が思いっきりくしゃみをぶっぱなしました。しまった!赤ん坊の若くて新鮮な菌を全部吸い込んだ。
家に帰り、靴を脱ぐのもまどろっこしく、死海の海水のような塩水で、首ががくがくするほどうがいを繰り返しました。母にどっさり貰った葛根湯を飲んで、レモン水を飲んで、そうだ、お茶でうがいも良いって言ってたな、と又もやバスルームでうがい、うがい、うがい、うがい、あ~うがい疲れた!
風邪をひいたら安静が一番ですが、そんな贅沢はできないんです私。風邪をひいちゃいけないんです私。
マルシェで、フォーもどきを作ろうとパクチー2束、パセリサラダを作ろうとパセリ2束買ったつもりが、家に帰ってみたら、ミントが4束に変わっていました。何故???? 横向いておしゃべりしてたので、ちがうおばちゃんの袋を受け取っちゃったんでしょうね、きっと。袋の中身を見た時のショックも落ち着き、気を持ち直して、ミントティーもきっと風邪にいいだろうとミントティー、レモン、葛根湯を暇さえあれば飲んでいたら、今度はお腹が痛くなったりで、まずい、まずいと焦ること数日。
家にいる時は寝る時もずっとマスクをしていましたら、マスク無しで外に出ると、なんだか薄ら寒くて、無謀な状態にいるような心もとない気持ちになりました。さすがにマスクをして外に出る勇気がないのが我ながら残念です。ずっとしていたマスクを外すと、お酒を飲んでほんのりしているような顔付になり、肌もしっとりするんですね。それから面白かったのは、マスクして料理すると変な味になるんですね。殆どが失敗料理でした。
執拗で地道な努力の甲斐があってか、大事には至らず、声が”おかま”のような低い声になった位で、なんとか菌に打ち勝てる希望の光が見えてきました。
フランスでは、インフルエンザ予防キャンペーンで、手を石鹸で洗いましょう!1度使ったティッシュは捨てましょう!と日本人には、へぇ??と驚くことを言います。
フランス人は本当に手を洗いません。まぁトイレもほとんど行かないので、手を洗う機会が無いというのもあるかもしれませんね。レストランなど行ってウエットティッシュを差し出すと、きょとんとしている人が多いです。ティッシュに関しては、フランスのティッシュの分厚さを考えれば、一度使ってポッケに入れておくと、乾いて又使える状態になっているので、再利用はあり得ます。これは最近までハンカチで洟をかんでいた名残があると思います。日本のティッシュでは私でも頼りなく感じます。
日本ではインフルエンザが大流行のようですね、どうぞどうぞお気を付けください。