パリの地下鉄は乗る時に切符をカチョンとしますが、出るときは何の検査もなく出られるのが日本からいらした方には馴染まないシステムです。ところが呑気にしていると地下鉄の構内でにっちもさっちも行かないような場所で抜き打ち検札をしています。その頻度が最近は頻繁になりました。
何とパリとその近郊の公共の乗り物の不正乗車は1日100万ユーロ!!!になるそうです。地下鉄やバスに乗る時にちゃんと切符を通さなかった場合50€の罰金です。
色々な罰金カテゴリーがありますが、最高120€の罰金になります。今、地下鉄の切符1枚1€90、10枚綴りのカルネなら1枚1€45に対してです。
今や検札団はバスの中までだだだ~と乗り込んできます。
パリに着いたお客様が、テロに気を付けて!という忠告が日本の外務省からメッセージが来たとおっしゃっていました。善良な市民でも誰が何処にいるか、何を買ったか、何処に電話したか、全て把握されているのですね。おっとろしや~ぁ。そしてあそこ行っちゃいけない、ここ行っちゃいけないといちいち忠告されるわけです。
先日、パリの駅からフランス新幹線TGVに乗り込もうとした時です。”マダム、マダム、マダム”と誰かが叫んでいます。そんな風に呼ばれる筋合いが無い私はもちろん反応しません。その声が私の耳の横から聞こえたので”煩いわね”と振り向けば私を睨んでいる4つの目玉。”身分証明書をお願いします” 日本からのお客様と一緒だったので、てっきり外国からいらしたお客様の身分証明書の事かと一瞬チラついたのですが、フランス国内の移動で何事?と不思議がる隙も無く標的は私でした。
それも相手は税関員。何で?と言いながら身分証明書をガサゴソ出す私に、”通常のコントロールです” と厳しい感じで答えた税関員。私の身分証明書を見たとたん、”日本人ですか”と一気に厳しさも興味も失った彼らは、ボン ボワイヤージュ!なんてサラッと行ってしまいました。残された私はお客様の手前もあり全く納得いきませんでした。
そう言えば昔から時々、国籍不明、怪しい、と疑われたことがありました。スペインのくそ田舎の空港で、私のパスポートに納得しない入国検査官。チュニジアのド田舎の空港でも一悶着ありましたっけ。入国検査でスーツケースを開けさせられるのには慣れています。
今の世の中は何をするのもコントロールされていることを”安心”と取る人、”危険”と取る人、”うざい”と取る人。様々でしょうが、コントロールしなければならない人間が多くなったと言う事なんでしょうね。要は悪い人が増えたという事でしょう。
日本ラブのフランス人の友達が、日本でお財布落としても、必ずそっくり返ってくると信じているので、お財布は返ってきても中身は無いわよ、と意地悪く言うと、この世の終わりのような悲しい顔をしたのですが、いくら良い国ニッポンでも良い人ばかりでは無いですものね。
何も疚しい事は無くてもコントロールされるっていい気分ではないです。私が引っかかる原因を是非知りたいものです。