2016年ミシュラン

ferrandi 1222月5日に発売になったレストランのガイドブックミシュラン2016年版。今年も新たに3人もの日本人シェフが1つ星を獲得しました。パチパチパチ~ィ。と喜んでいる人がいる一方、自殺しちゃうシェフもいます。今年も偉大なシェフ、ブノワ ヴィオリエが銃で自殺しました。2月1日の星付けの発表の前日でした。数年前はこれまた大スターシェフ、ベルナール ロワゾーが自殺しました。彼は強く星の数に執着していたシェフです。現在はロワゾーの奥様がレストランの経営を引き継いでいますが、2016年は2つ星に落ちました。
ヴィオリエの自殺の原因は分かりませんが、ヴィオリエのレストランの得点を落としたもう一つの権威あるガイドブック、ゴー ミヨは、ガイドブックの点数を気にして自殺なんかするはずが無い、他に家族や個人的な問題を抱えていたのでしょう、と言っています。
人を幸せにする料理、その世界の中はそりゃ過酷な所のようです。なんせ男世界ですからに、男性ホルモン独特の ”わしがボス” 争いで戦い抜いていくタフさが必要なのでしょう。フランスの厨房の中は、スープを頭からぶっかけられたり、あばら骨で頭叩かれたりの苛め、暴力、セクハラなど盛んのようです。これらに対して、断固反対!と立ち上がったシェフ達もいれば、そうやって厳しくされて、強くなっていくんだというシェフ達もいます。
下手に星なんか貰っちゃうと、すんごいストレスの渦の中入り込んでしまうのでしょう。今やレストランでお皿がサーヴされるや、取りあえず皆写真を撮ります。これに激怒するシェフは多いです。特に話題のシェフ達です。写真を撮って、誰かに送ったり、FBに載せたりしている間にお料理が冷めたり、溶けたりしちゃうじゃないか、ちゃっちゃと食べれ!と言うことですが、実際は毎日、毎回ベストなお料理という訳はないのですから、あまり良くない感じを下手糞な写真で世に出ることを恐れているというのもあると思います。このような写真をフードポルノと呼んでいます。私の知的財産権を侵害している!と。
アメリカの料理評論家が、ミシュランのガイドブックお勧めのレストランを100万円かけて食べ歩きました。もちろん彼には納得いかんというレストランは多くありました。豪華絢爛な店造りをしたら星は貰えるという噂も頷けると言う事です。
星付きのゴージャスなレストランの席に座っただけで既に気分は良い状態で、さ~美味しい物が出てくるぞ~、と頭は決めているので、さすがだね、素晴らしかったね、と皆幸せにレストランを後にするのだと思います。マジックです。
ferrandi 143日本人はお醤油を使うので、お塩の味、苦味などが分かっていないそうです。フランスの名門料理学校はパリ6区にあるフェランディー。問題はフランス語又は英語が分からなければ入学できないということです。そこで日本の名門料理学校、辻調理師学校はリヨンに開校し、フランス人シェフの元びっちりフランス料理を習います。こうやって星を獲得する日本人シェフが続々出現するわけです。
日本人シェフも見習いもフランスではとても評判がいいので、今後とも大いに気張って頂きたいものです。