『ちょっと、見栄えの良いアジアティックの男の人いない?』『はぁ?』飲んでいたワインがむせ返りました。何故って彼女は正真正銘のレズビアンなんですもの。『あたし結婚するの』再び口に運んだワインが今度は吹き出ました。ぐいんと前のめりになって、いったい何を企んでいるのか問いただしてみてみれば、前から付き合っている恋人と、とうとう結婚する事にしたそうです。それは素敵な事なんだけど、何故そこでアジアの男が必要になるのか?
フランス人は基本、会社とプライベートは混ぜません。会社の帰りに皆で飲みに行ったり、フェイスブックで同僚皆友達なんて事はしません。そのくせ、フランス人の名に恥じない事に社内不倫はなかなか盛んのようですが。ソレとコレとは違う、という事なんでしょうね。
結婚休暇を取る為に会社に結婚するという報告と、話のついでにその写真ぐらいは見せなければなりません。しかし、会社の人にレズだとか込み入ったプライベートの事は話したくない、ともかく、証拠の写真を撮るために誰か男が必要となった訳です。恋人がアジア人なので、写真の男もアジア人がやはり良かろうと思ったそうです。
フランスは同姓の結婚は認められています。10組に1組の割合で同姓カップルが結婚届けを出しているそうです。毎月100件ぐらいの同姓カップルが結婚している計算です。
結婚が認められて、益々仲睦まじい同姓カップルが巷で見かけるようになりました。それでも圧倒的にゲイが多かったのですが、最近は熱々のレズカップルも良く登場するようになりました。
結婚式前に新郎新婦はそれぞれ、男の子同士、女の子同士別々に独身最後の儀式をします。羽目を外して一晩遊びまくるのです。このレズカップルの場合は、おかしなことに独身最後のお楽しみも二人一緒に友達たちと過ごします。
お金も何もなくても結婚は出来るけど、お金が無ければ離婚は出来ないという事を忘れずに、二人の決意が末永く持続しますよう。
心底二人の幸せを祈りますです。