香水物語

先日香水好きのお客様をご案内したのが、その名もずばりNOSE.世界中からの50以上のブランド、500種類の香水、1500本の商品の中から、お好みの香水を選び出して差し上げますというコンセプトです。
先ず、普段使っている香水を聞き出して、5種類の香水を選んで提案してくれます。その5種類から好きな順番を付けます。トップ2を基準に又新たに選ばれた5種類の香水の中から順番を付けます。この手続きを何回か繰り返して、好みの香水を絞っていき、最後に一つ選びます。面白いのは最終選考に残った香水は結構違ったタイプなのですが、どれも甲乙つけがたく相当に迷わせてくれます。そしてどれも聞いた事も見たこともない名前のブランドでした。
 
いつぞや、花嫁が花束を持つ習慣が出来たのは16世紀からという記事を読みました。それは当時はお風呂に入る習慣も服を頻繁に洗濯する習慣も無かった為、相当臭かった体臭をまやかす為という、ロマンチックな気持ちを粉々にする理由でした。そう言えば、教会のミサの時、煙を振り撒くあれも、不潔な人間があんなに集まって耐えがたく臭かったからという話を聞きました。
古代では神を讃える為、草や樹脂を燻して良い香りの煙を出していたのが、クレオパトラがビューティーとして使い始め、カトリーヌ ドゥ メディシスがフランス王アンリ2世に嫁入りし香水を広め、ルイ14世なども己の不潔な臭いをカモフラージュするために液体となった香水をジャブジャブ浴びていたそうです。その後ナポレオンの嫁がオーデコロンをハンケチに染み込ませて良い香りにしてフワフワ振り回してロマンチスムのシンボルとなり、20世になるとオートクチュールのメゾンが高級な香水作りに我も我もと競い合いました。
ここ何年も空港で免税店やブティックにちっとも行かない私が、中学生の時から出かける前に必ずオードトワレを振りまいている息子のクリスマスプレゼントに1本買おうかと先日帰国した時に免税店に行ってみました。昔はずらりと香水売り場があったものですが、もうないんですね。化粧品が所せましと並んでいる隙間にしょうがないから的に置いてあるのみ。メンズ用なんて数種類だけ。最近は目がくらむほど、息が詰まるほど香水プンプンのパリジェンヌもいなくなりましたからね。皆お風呂に入るようになったってことなのでしょうか。
フランで一番売れている香水はジャドール ドゥ ディオール、ミス ディオール、シャネルN°5 ととてもクラッシックです。
このブログを書いていて、昔読んで面白かったパトリック ジュースキントの小説”香水”を思い出し、そうだそうだ最近サントノレにできた香水大博物館に行ってみようと思い立ちました。