日本の奥様の間では今フレンチローズが話題になっているそうで。
パリで薔薇といや直ぐ思いつくのが『バガテルの薔薇園』です。
バガテルとは、ブーローニュの森の端っこにある気取った有料公園です。
森の中にあるので、そりゃ不便この上ない場所です。
公共の乗り物でパリから行くには、地下鉄とか郊外電車とかバスがありますが、いずれも最寄の駅というものが無い!
天気に恵まれたある日、じっくり道筋を検討した結果、バスを乗り継いで行く事にしました。
パリをずいーと突っ切ってバスは進みます。中々楽しいルートで、観光ツアーしているみたいです。パリを抜け出ると、バスはヌイイという郊外の高級住宅地のカッコいい住宅街をぐいぐい縫って進みます。
パリ郊外にとんと慣れていなくて、無知なあたしはもうバカンスに来た気分。ウキウキです。
バガテル公園に何とか一番近いバス停に到着。そこから、森の端を7ー8分歩きます。バスを2回乗り換え、トータルで小1時間かかってやっとバガテル公園に到着。
常識からかなり離れたサイズのちっこい窓口で5€を払います。
入ったら右側の方へ進路を取り、突き進んでいくとオランジュリーが見えます。そこの先が薔薇園です。
この薔薇園で有名なのは、1907年からやってる薔薇新種コンクールです。
参加者は2年前に苗木をバガテルに植えておきます。2年の間、専門の庭師が愛情たっぷりに育て上げます。。薔薇園に投票用紙と投票箱が置いてあり、コンンクールの審査に一般人も参加できます。
審査は6月。発表は秋になってから。皆ヴァカンスに出ちゃいますので、帰ってきてからねって事だと思います。
この辺りでは5月6月が薔薇の旬。この時期の薔薇園はもうロマンチックで優雅で、高級です。
うっとりした気持ちで、しかし貧乏臭く、せっかく5€払ったんだから向こう側も行ってみましょうと歩き始めると、誰かが首絞められている声が聞こえます。
ギョっとしながらも,あれ?なんだっけ?と頭の中をかき回して考えながら歩いているあたしの目の前に小人が現れました。
ヒーーーッ!用がありそうに私に向かって歩いてきているのは孔雀でした。あーそうだ、あの、世にも下品な声は孔雀だ!その後もしょっちゅう孔雀に出くわし、いちいちビックリしていました。
園内には可愛らしいトリアノンがあります。アリーアントワネットと義理のお兄さんと2人で造ったものです。
そのトリアノンの横の建物で展覧会をやっていましたが、だから何?無駄使いもはなはだしいわ。ってもんでした。
公園の周りに何もありませんので、お弁当を持っていなければ、園内の鳩レストランで大枚はたくか、絶食するしかありません。
お弁当なし、絶食イヤな私達は鳩レストランへ。鳩が凄いんです、ここのテラス。だから鳩レストランという名前を付けてあげたんですが。
ギャルソンに、酷過ぎる、汚すぎる、なんなのこの鳩!と取り合えず文句たれたんですが、ナプキンでシッシとやってるばかりで、すっかり鳩に馬鹿にされていました。
バガテルで私が一番好きなのは、ショパン フェスティヴァル。毎年6月から7月にかけて、若手から古手までピアニスト達がオランジュリーでショパンを弾きまくります。大変気取ってます。
伊豆にもバガテル公園があるそうですね。パリのバガテル公園と姉妹だそうです。妹も姉さんみたく上品で美人さんだと良いんだけど。