judaiseme 055地下鉄の通路に張ってあるポスターを見て、11月から絶対見たいと思っていたエクスポジションにやっと行かれました。
『マリアン』 場所はユダヤ人街があるマレ地区の『ユダヤ教の芸術と歴史博物館』です。ユダヤ系の建物独特の厳重なセキュリティーを通って元貴族の館であった立派な建物へ入ります。
 
マリアンとは本名 ピンカス バースタイン、1927年ポーランド生まれのユダヤ人画家です。その時代にユダヤ人であったならば逃れられない収容所体験者です。エクスポジション会場で放映していた生前の彼のヴィデオで、泣きながら話している話を聞いているだけで心臓がバクバクしてきました。
収容所である日、無差別に22人が選ばれました。マリアンは22番目に選ばれました。酔っ払ったナチが次々に首を狙って発砲しました。酔っ払ってるもんで、中々当たらず何発も何発も撃ちました。完全に死ぬまで。21回それを見せられたマリアン。いよいよ自分の番です。その時点で彼の精神は既に死んでいました。何発目かの弾は彼の首から咽と貫きました。どっさり倒れました、が自分は死んでいないことが分かりました。完全に死ぬまで撃て!という命令が怒鳴り散らされています。マリアンは息を止めて死んだ振りをしました。本当に全員死んだか再確認する為に、人間の息を認識できる犬まで連れてきました。上手い事犬も騙せたマリアンはロシア人に助けられ一命を取り留めました。
解放後、小さい時から絵が好きだったマリアンはエルサレムの美術学校へ、その後パリのボーザールで、フェルナンド レジェのクラスに入りました。フランス国籍が取れなかったためアメリカへ移住しアメリカ国籍を取得。1977年ニューヨークで亡くなりました。
もちろん、収容所でのそんな体験は彼の精神を壊しました。
judaiseme 050実は、恥ずかしながらマリアンのこと知らなかったんです。宣伝のポスターの絵を見てこれは面白そう、と心に留まったのですが、実際見てみると怖いです。悲しみが一杯です。
 
 
 
彼のバックグラウンドを読んで、そうかそうだったのか。収容所体験の異常事態だけでなく、彼のお母さんは暴力を夫、つまりお父さんにいつも振るっていて、毎日怒鳴って、父親を殴りつける母親を見て育ったそうです。
私の友達の画家は全く背景は違うのですが、どこか同じ匂いがする絵を書いています。恐怖が無いという決定的な違いがあるのですが。彼も東欧出身のユダヤ人です。そしてパリのボーザールへ入って。。。。
スラブ系ユダヤ人独特の暗さ、悲しさが底にあるのでしょうか。
見学中博物館内で聞こえてくるのは英語が殆どでした。クリスマスホリデーでパリに遊びに来た外国人でしょう。もちろん皆ユダヤ人。彼らはどこの街にもきっとあるであろうユダヤ博物館へは必ず立ち寄るんでしょうね。
judaiseme 049MARYAN展は2月9日までやっています。
日本では馴染みが薄い事柄ですが、ヨーロッパでは避けて通れないユダヤの事を知りに行くのはいかがでしょうか。
 
 
MUSEE D’ART ET D’HISTOIRE DU JUDAISME
71 Rue du Temple 75003 Paris