素晴らしき日本食?

ある人を中心に顔見知りだけど、全員一同に会ったことがなかったおばちゃん6人を集めて家でご飯を食べる事にしました。

呼んだからには、メニューを考えて、野菜、果物は朝市で買うので買い物のスケジュールを組んだりして、よっしゃ~と思っていたら、前日になって、”そう言えばあたしらヴェジタリアンになったのよ”とのメッセージ。その”あたしら”2人はユダヤ教徒なので、いつも彼女達の食事には気を付けていたのですが、お肉料理を考えていたので、でんぐり返りました。その他のおばちゃん達は宗教は関係ないのですが、流行りのオーガニック愛好家。私だけです何でも食べる雑食動物は。

したらばと、私の宝箱に入っているヒジキやわかめや高野豆腐を出してきて、豆腐を買いに走り、常備してあるレンズ豆やキノアなどでヘルシーディナーに変更。この気取ったヴェジタリアンレストランのメニューを作っていて思ったのが、日本食を作って食べている日本人には何一つ特別な調理はないなぁ。”きゃ~、大変だったでしょ、こういうの作るの”と皆は感動してくれましたが。簡単簡単、屁の河童。粉を付けて焼いた豆腐に、菊芋、サツマイモ、ニンジン、長ネギ、キノコのココナッツミルクのスープなんて目つぶっても作れます。

楽しい食事中、辞書のような物知りおばちゃんが、あーたこのヒジキどこで買った?パリに住んでいるお陰で友達はしょっちゅう来ます。これがミンクス辺りに住んでいたら誰も遊びに来てはくれないと思いますが。なので私の宝箱に入っているヒジキやわかめ、海苔、お茶などはお土産で頂く日本直の物ばかりです。

物知り彼女曰く、ヒジキはフランスでは輸入禁止になっているそうなんです。ヒッ素やヨウ素が多すぎるらしいんです。体に良いだけが取り柄と思っていた、昆布、ヒジキ、わかめ、出汁はヨウ素含有率がトップですって!

そういえば、東京オリンピックに向けて、選手達の食事で心配事が、日本はオーガニックの規定が緩すぎて、あてにならないそうです。農薬の危険性に対する意識が低くいので、日本ではオーガニックがまだまだ広まっていないのは現状の様です。確かにオーガニックの見本市に行っても、日本のブースは数件、そこへいくと中国ブースはすっごい数出ています。世界の動きをがっちり把握しています。

ダイエットできて、体に良いから長生きできて、見た目も美しいと言う世界の評価の日本食。昔話にならないよう切に願ております。

 

 

 

 

 

 

息子の看護

”やはり1本は確実に折れていますね” と言われて、えええええ~ぇ!!!!となったのは、その言葉でなく彼が振りかざしている紙切れです。
私の常識では、薄い下敷きみたいなのを、電気が点いているパネルにサクッとさして、ボールペンの先でこれこれと指しながら説明してくれるのがレントゲンってものです。それがただのコピー用紙ですよ、今時のレントゲンって!

ひょんな不幸から肋骨をぶつけてしまい、映画の場面で見るのそっくりな本当に震えがくる痛さに見舞われました。肋骨が2,3本ボキバキ折れて、内臓に突き刺さっていると確信しなければあり得ない痛さ。なので折れていると言われて、当たり前やんかと今更でした。

痛さに疲れ果てて眠ったようです。丁度週末なので朝帰りの息子はお昼過ぎに起きてきて、私の状況には気が付きません。
はて?おかんは居るのか?お昼はどうなってんか?とやっと思い付いた息子が見に来て、ベッドで死んでいる私を発見。
その時はあまりの痛さにどこが痛いのか分からず、”背中が痛すぎて動けない”と訴えると、”あっそっ”と通りすがろうとします。”お医者さん呼ばなきゃ”と言ったとたん、5W1Hの質問攻め。ただの怠け癖でベッドから出ないのだと思ったようです。
それからの彼の献身というか何というかの看護振りには語り草になります。

緊急往診を呼べば、ものの5分で来てくれるものとの考えは大いに外れ、3時間位経ってせかせか来た医者。往診を頼んだ電話を切るや否や、きちんとワイシャツに着替えた我息子。てっきり出かけるのかと思ったら、お医者さんを家に迎える為のマナーでした。
脇腹見せろ、背中見せろと言われても、リクエストに中々答えられません。声を出して胸振しても痛いんですから、説明するのすら心もとないです。
横で構えている息子は手にノートとペンを持ち、医者の言う事を速記しています。
おまけに、どんな態勢でいるのが良いのか、食事に関しての注意は? 患部は温めていいのか、冷やしていいのか?
本人が望めは入浴してもいいのか?母は日本人だしこんなにチビなのでフランス人と同量の薬で良いのか?などなどいらん質問攻め。

即薬を買いに行き、3種類の薬の長ったらしいい能書きを隅々まで読んで、私に副作用の説明をし、吐き気用の洗面器、ティッシュ、水、本、メガネ、クッション一杯、毛布一杯、スマートフォン(充電しながら)を私の周りに並べ、何かあったら直ぐ来るからね、と部屋へ下がりました。本当に本当?と思って声を出して呼ぶのは痛すぎるので、SMSで ”SOS” と送信ボタンを押すや否や飛んできました。ドアの外で待機してたの?の不気味さです。
アヘンをたっぷり含んだ薬のお陰でうつらうつらしていたのですが、痛みで体を動かせないので、数時間で床ずれするんじゃないかと思うような不快感。
30分置き位に様子を見にきて、目を覚ましていれば、飲まないのに熱いお茶を入れて、寝ていれば布団を整え。
その時の彼の顔付はヴェテラン婦長さんそのものでした。

翌日、レントゲン写真を撮りに行くにも動けないので救急車を息子が手配しました。平日なので私一人で救急車で行ったのですが、その救急隊員達が何となく引っかかる感じだったんです。とっても優しくて、丁寧だったんですけれども。。。

数日後お見舞いに来てくれた友達に救急車に乗った、と自慢したら、救急隊員は刑務所から出た人達の最初の仕事だよ、と聞いてなるほど!と膝を打ったわけです。

往診に来てくれた医者は折れていたら3か月は痛みがあるから薬を飲み続ける必要があると話しました。
レントゲンの為、病院で待っている間、どうしたどうしたと何度もSMS攻撃をしてきた息子に、レントゲンの結果折れてたと伝えると、ってことは3か月おかんは動けないのか?と真っ青の返信。

で、思ったんです。もちろん身近な家族や友達が病気、怪我などで苦しんでいるのはとても辛くて心配です。でもその心情って、その状況その物が耐えがたいというのではないでしょうか。今回の場合、夜学校から帰ってきても、家は暗くおかんはベッド、ご飯は直ぐに食べられない、食器洗いはしなきゃならない、洗濯物は溜まっている、という悲しい日々だったわけです。この状況でおかんの世話を3か月もするのかと絶望してもおかしくありません。

あのイヤな薬飲まないでも何とか大丈夫そう、と報告すると、2カ月は飲んで、無理はしないように!今大事にしておかないと、又直ぐ折れちゃうよ!と婦長さん顔で諭されました。

 

 

 

 

 

フランスの徴兵制度

今のところフランスは、徴兵制度の名残で16歳から18歳の男女ともに、ある日突然招集令状が来て、フランス国民としてフランスを守る心構えを学ぶ1日講習会に行く義務があります。
高校卒業試験のバカロレアの試験の時に講習会を受けましたという証明書の提出を求められます。

家の息子は移民の子なので、ずっと日本国籍でした。18歳になってからフランス国籍を取得したから忘れられたのか、その1日講習会の招集令状を受け取らないまま今になっていました。

数カ月前、”招集に応えたという証明書がないと大学卒業証明書を出してくれないって!!!”と真っ青なSMSが息子から送られてきました。
だから?あたしにど-しろっての?とピッとスマートフォンを切ってバッグに放り込んだのですが、ってことは次の学校へは行かれなくなるのか?今行っている学校は私立なので、そんなめんどくさいこと言われなかったけど。。。
と、子を思いやる母の気持ち。
結局翌日私が、朝から雨の中区役所へ問い合わせに行きました。区役所の人達は皆優しい人が多いのにはいつも驚くのですが、今回も優しいおばちゃんが、心配ないわよ、この書類を提出すればバッチリよ。と手際よく整えてくれました。直ぐに息子にメールで送ってあげました。ありがとうございます、母さん!の返事で一件落着。

数日後、”ちゃんと招集令状じゃなきゃダメだって!!!”とまたもや真っ青な息子からのSMS。あーこれは意地悪根性に当たったな。”もう直接軍の管轄に電話して、早う呼んでくれと頼みなさい” メールと電話でほとんどハラスメント的にせがんで、やっと3月21日に招集されます、というメールを受け取ったようです。

ナポレオンの時代は6年間の徴兵でした。時代と共にどんどん短くなって1日講習会までになったのに、マクロン大統領は16歳の男女共、1か月泊まり込みの徴兵制度にしようとしています。
先ずこの6月から試験的に2000~3000人の16歳の男女の有志をフランス13県の中から募るそうです。もちろんその13県にパリを含む県は入っていません。
関係者の頭を痛めているのは、アホな16歳の大集団を一体どうしたもんか?何処に寝かせるんか?一体全体幾らかかるんだ?
若者からは、その”義務”っていうのが気に食わない、とフランス人らしいご意見。
30代の若い友達が1日講習会に行った時は、退屈で最悪な1日に備えて皆マリファナ吸ってた、と言っていました。
もう1人の同世代の若者は、え~心臓マッサージとか人工呼吸のやり方とか教えてもらったし、帰りにボールペンもくれたし構面白かったよ。と相反する見解。
はて、あの子は????