暖かいフランス

先日パリで開催されていたCOP21も拍手と歓喜の涙と共に無事閉会しました。気温上昇を2度未満に、できればもう少し気張って1,5度までに押さえましょうと満場一致。これは参加者皆がリアルにフランスの異常気象を体験したから、事の他スムーズに決まったのではと思います。
今年の冬は平均気温より6度も8度も高い不気味なフランスは、スペインに近いビアリッツあたりは先日21度、海水浴をしている人までいました。パリで14度~16度、いくらなんでもそれは無かろうという半袖Tシャツの姿もチラホラ見かけ、コートなしの人はかなりいます。
この週末からフランスはクリスマス休暇に入りました。山も平均より3度も気温が高く、人口雪を撒いても2,3時間で溶けてしまうのでどうにもこうにもならないようで、貸しスキーの代わりに急きょ貸し自転車を用意したりと知恵の絞りどころです。
植物や動物達もあわくっているようで、もうチューリップなどは芽を出しています。芝生も伸び続けているので、クリスマス休暇にお父さんは芝刈りをする羽目になります。
シャンパンの生産者は、葡萄の味が変わってきたと言っています。酸味が弱くなり、甘みが強まってきたそうです。このまま温暖化が進めば、葡萄の収穫が出来なくなる地域が増えていくだろうと憂鬱そうです。
梨の木などは、冬のきりりとした寒さが必要なのに、これではへなちょこな花しか咲かないとこれまた憂鬱そうです。
外を歩いていれば、窓を開けている家を沢山見かけます。中央暖房なので止める事も出来ず暑いのでしょう。うちは個人暖房なので、この冬は2,3回夜に15分ぐらい暖房のスイッチを入れたぐらいです。
私がパリに来た頃は、毛が裏打ちしてあるブーツを履いて、帽子、手袋をしても痛いほどの寒さだったんですけれどもね。今では一年中同じ服にコートを羽織れば冬もOKってな感じです。
節電しましょう、テレヴィ、パソコンなどは使わない時は元のコンセントから抜きましょう、などけち臭いこと言ってるくせに、携帯も固定電話もいつも充電していなくてはいけないし、どこの家も電気の線がとぐろを巻いていることでしょう。そもそも電気自動車ってのは排気ガスは出さないけれども、節電に関してはどうなのでしょうかね。
美味しい物は体に悪くて、便利な物は地球に悪いという事でしょうか。
オー神様、なんと酷なことを!