9月初旬のフランス

テレヴィや薬局で虱退治や虱予防の宣伝を大きく見かけると、あー新学期だなと実感します。
学校から『虱発生!子供の頭に要注意!』というお手紙がくる季節でもあります。
初めて、学校からのそんな手紙を見たときは慄いて、薬局に走り、虱予防シャンプー、虱予防スプレー、虱予防ローションを買い込み、家族全員たっぷり頭に振りかけていました。
虱はターザンの様に、髪の毛から髪の毛に伝わっていくので、お昼ねしたり、子猫みたくじゃれあって遊ぶ年頃の子供にはつき物のようです。
 
電気仕掛けの虱取り櫛を持って泊まりに来た子が来た時はシーツなど熱湯消毒しましたわ。
爽やかで、汗をかくような暑さではないからか、洗っていない臭い人が鼻につきます。虱=不衛生ではないといわれていますが、うんにゃ~、汚いからだわと絶対的に思います。
日曜日の夕方帰ってきて、よっこらしょとワイン片手にソファーに座って溜まりに溜まった新聞を読みながら気がついたんですが、日本からパリに帰ってきて初めてソファーに座ったな。
新学期の準備だなんだで、ヴァカンス明けはとかく小忙しいのですが、おまけに、必ず問題が発生するんです。銀行は書類を失くして、ヴァカンス前に手続きしていた事が全てストップしたまま。その銀行担当者がふるっています。文句言いに勇んで出向いた私に会うなり早々、『私ヴァカンスから戻ったら膀胱炎になっちゃったわよ、おしっこしに行く時間も無いんだから』と嘆きます。もう怒る気力も萎え、彼女の机に山積みになっている書類を見て一緒にため息をつくばかりでした。こうして私の堪忍袋の緒は太く強く、そう簡単には切れないようになってきたのです。
帰ってくると掃除機は何故か壊れていています。ぶわーんと音を立てて動いたり止まったりを繰り返して、全くの役立たず。『え~、埃で死ぬこたーないわ』と3日ぐらい知らん顔していたのですが、工事現場に住んでいるような感じで大変居心地が悪いんです。なんとか時間を作って大きなスーパーに掃除機を買いに行けば、がら~んとしていてろくな物がありまん。そこらの棚どこもスカスカ。新学期の文房具売り場ばかりが充実していました。しょんぼり家に帰り、そうだ!と、アパートの建物の掃除に使う掃除機をそっと拝借してきてやっとすっきりした次第です。それも、もう3回もビクビクしながら勝手に借りてきている次第です。
息子は歯の矯正をまだしています。なにしろ成長が遅くていつまでも乳歯ばかりで、『まだだね』と言われ続けてたものですから。
矯正歯科医には、月に1度定期的に通わなければなりません。なのでスケジュールをちゃんと組んでおくのですが、新学期になれば学校の時間割も変わるので予約のスケジュールを組み直さなければなりません。それなのに時間割が未だ確定していないんです。毎年毎年同じ。何故、新学期が始まる前に決められないのか?他の学校でも教えている先生が結構いるからなのか?しかしこの始まりのカオスがいつの間にかうまく収まっているのがフランスのカラクリの不思議です。
ヴァカンスの日焼けもまだ残っていて、皆の話題もヴァカンス、ヴァカンスの所為で滞った仕事の山も高いまま、まだまだ停滞しているフランスです。