魔法の手

肋骨を折って早2カ月近くになり、完全と言っていいほど回復しています。
と皆に報告していた矢先、突然右の肩甲骨から頭の付け根までが痛くなりました。寝違えたのかと揉んだり、温めたり、湿布したりをしたのに一向に治まる気配が無く、そのうち大火傷したような痛みになり、これまた居ても立ってもいられず、呼吸すらできない痛みに襲撃されるようになりました。皮膚は何でもなく、首や肩の動きにも問題がない所を見ると神経がどうにかなっているんだと想像しました。
肋骨骨折の時にお見舞いに来てくれた友達が、絶対彼女の所に行きなさい、と置いていった電話番号に電話をして、”どえらく痛いんです”と訴えました。
電話の向こうの声は、気持ちの良い音程で穏やかに包み込むようで、電話しただけで何だか安心した気持ちになりました。彼女は整骨医です。
予約の日、想像通りの小柄で落ち着いた静かな女性がドアを開けてくれました。通常の整骨医とかけ離れた彼女の治療法。殆ど体に触らないのです。せいぜい軽く手を当てるぐらい。私がすることはきちんと呼吸をすること。30分程静かな時間が過ぎて、”はいもう大丈夫”とニッコリ。まだびりびり火傷の感じがあるけど。。。といぶかると、”48時間は様子を見てね”後48時間痛いのか、とちょっとがっかりして家に帰りました。
私は猫の様に横向きに丸まって寝る貧乏くさい癖があるのですが、その夜仰向けに寝ることが出来なくなりました。仰向けになるとなんだか苦しいのです。そして妙に暑くなるのです。おーお、何かが体内で動いているなという感覚です。そして翌朝、すっかり痛みが無くなっていました。ハレル―イヤ!
肋骨を折った時にあまりの痛みで内臓もギュッと収縮し、息もろくにできなくて血液も空気も通わず先端の神経を痛めてしまったようです。きちんと呼吸することがどんだけ大切な事かよくわかりました。
保険も効かないし、高いのでそうそうは通えませんが、心強いアドレスを貰って本当によかった。
彼女は催眠術もできます。何かお困りのことがある方、そっとお教えします。