好きな作家

痛てて~とは思ったのですが、うずくまって今までやっていたことを中断する事もなく、挟んだ指を良く見ることもしないで過ごしていました。それが夜、夜中にもう心臓がバクバク、息も絶え絶えになって目が覚めました。数時間前に挟んだ指に心臓が出来たと思うほどずっきんずっきん、破けそうな痛さです。こんなに痛い思いをするのは生まれて初めてかしら?と長い人生で起こった痛かった事を思い出したりしているうちに朝を迎えました。明るい所で眼鏡をかけてよく見れば、んま~っ、漫画と同じ、或いはよくバスケットだかホッケーだかの試合を見に行く人達が買うでかい指。あれです。ぶっくり赤黒く熱々に腫れていました。本当に年取るとこんなに反応が遅くなるんだなと身にしみて感じました。
数日すると私の左の中指の爪は見事な緑色になり、周りの人達に、エメラルドの爪!と自慢して見せて、そりゃ気持ち悪がられていました。
エメラルドも時間と共に、真っ黒なオニキスとなり落ち着いた頃、どうやって出来たんだか包丁でオニキスの爪の中を切ってしまいました。考えただけでもお尻がムズムズするほど気持ち悪いのですが、爪が剥がれていてブワブワしている状況です。そのブワブワしている爪が何かに引っ掛かると激痛ですので、家ではその辺にあった毛糸の手袋の中指以外の指を切って、手袋から4本の指と手のひらが出ている状態で中指を保護しています。この特製手袋がぽつんと置いてあるのを見ると、こちらで人をお行儀の悪い言葉と共に罵倒する時の中指を立てるジェスチャーになっているので、いちいち慌てます。
で、台所とお風呂場には日本から貰った指サックが置いてあります。これが子供用コンドームみたいで、またいちいちきまりが悪くて慌ててしまいます。
そんな日常の中、私が愛して止まない佐藤賢一のカルチェ ラタンを何度目かの再読をしていると今まで気に留めなかったコンドームの話の所で引っ掛かりました。フランスにコンドームって名前の所があると書いてあります。ほんまかいな?調べてみると本当にフランスのスペインよりの南、ミディーピレネー地方にコンドームって街がありました。そこがコンドーム発祥地ではないのですが。そのまま勢いに乗って調べてみますと、なんと紀元前3000年にエジプト人が病気予防の為に使い始めたそうです。当時は羊の腸なんかを利用して殆どソーセージの原理です。18世紀にエゲレス人がコンドームと名付けたそうです。19世紀にタイヤのグッドイヤーがゴム製の物を開発したそうです。何度も洗って使い回しができた物だそうで、私の指サック同様です。笑い転げたのは、日本のコンドームのネーミング。『ハート美人』 『突撃一番』『鉄兜』ヤー日本人のユーモアは素晴らしい。そんなものにも心を砕いて素敵な名前を付ける心遣いにも感心します。
話が長くいかがわしい方へ向かいましたが、私が一番言いたかったのは、佐藤賢一の本は面白いという事です。腑に落ちないのは、話していて気が合う、本好きの友達に勧めてもちっとも受けないんですよ、この佐藤賢一さん。不思議だな??? 
彼の書く歴史小説はよーく調べていて、でも小説だから面白いのにな。
一度でいいから生身で話している佐藤賢一さんを見てみたい。東北弁で話していたらもうイチコロだわ。