パリの眼科の巻その3

『昨日は申し訳なかったですね。』とかなんとかの言葉を期待して行ったら、まるで会った事も無い人に対する態度。仕方が無い、経緯を説明し始めると、何のことだかさっぱり分からないと言い切ります。ははーん、昨日、自分が操作の仕方を間違えていただけなのに機械が壊れていると騒いだのがばつが悪くて、その話はもう聞きたくないというつもりなのかしら?しかし、ぽちんぽちんとコンピュータを押してたドクター、あらあなた来たことありますね、それも昨日!何故又今日来ましたか?とふるったことを言います。もうここまで来ると可笑しくって、私が笑いながらする説明半ばで、じゃあ視力検査しなければならないじゃないですか、はいあっちに座ってください。ときたもんだ。
又始まりました。左右の視力が全然違うじゃありませんか!しかし今回は違う検査機でちらりと悪い方の目を見ると、あの飛行場のアナウンスの声で円錐角膜!円錐角膜だわ!円錐角膜です!とこれまた60回位クリニック中に聞こえる声で宣言しました。気のせいか嬉しそうです。
そしていそいそと目専門の病院へのお手紙を書き始めました。不思議な事にあれほど声高らかに円錐角膜と60回宣言したくせに、手紙には円錐角膜、又は白内障の疑いあり。という自信のない内容です。もっと不思議なのは昨日食い入って覗き込んで、何にも無い、白内障も無いと言ったのは何だったんでしょうか?何を見ていたんでしょう?
そして、絶対結果を教えてくださいね、と羊の様な顔でニッと笑って手紙を渡してくれました。始めてみた笑顔、ゾクっとしてコートを着るのもそこそこに診察室を後にしました。
やれやれ今度の病院はどんな事になるのやら。4月18日13時30分をお楽しみに。