6月のパリ

あ~もう夏ね。と長い長いコートとブーツの生活からワンピースにサンダルのウキウキする季節になりました。6月は街中の雰囲気も独特です。まず目に付くのが学生の団体。フランス人だけでなく、ヨーロッパ諸外国からの子供達が目立ちます。学年末の修学旅行です。それと来週からバカロレアが始まるのでその準備で先生達は忙しいので、邪魔な他の学年の子供達は遠足に追い出されます。地下鉄やバスで移動している彼らを見ていて、日本のそれと随分違うなと感じ入ります。
20人位の学生を引き連れて歩いているは、たった一人の先生だったりします。その先生も至ってリラックスして楽しそうにしています。大きな声を出して「次降りるよー」なんて注意していないし。学生達もばらけて座ったり、立ったりしているのに、きちんと降りる所で降りて行きます。私だったら心配で心配で。「次の次で降ります」とか「バッグ気を付けてくださいね」など、まるで日本の電車のホームのアナウンスの様にやかましくしてしまいます。
中学校、高校はバカロレアの試験会場になったりするので、その間学校はお休みになります。年々回して使う教科書も早々回収されるので、事実上授業は殆どなく6月は既にヴァカンス気分です。公園にはそんな浮かれ学生が溜まっています。
今家族中でキリキリしているのは、15日から始まるバカロレア受験生です。今年は700,000人が受けるそうです。受験生も含め、試験作成者、印刷する人、管理する人、添削する人など膨大な人数の人が関わるバカロレアが毎年無事行われるというのは何とも奇跡的な現象だと、フランス人自身言っています。
バカロレアの試験問題を作成するのは、新学期が始まる9月からもう始めるそうです。
私も、大禿になる勢いで息子の時は心配しました。彼は今年は、卒業試験と次のもっと専門的な方向へ行く学校に入る為の試験が5月中ずっとあったらしく。後から聞いて、道理で夜家に居た訳だと納得。6月はその結果待ち、まな板の鯉状態の彼は、テニスのフレンチオープンだサッカーだの観戦で、アー忙しいな、と幸せの絶頂です。
「この6月があーたの人生で最良の時という事を肝に銘じて過ごしなさい」と,折角の気持ちにどば~と水をさす母。7月の結果を全く心配していないあの子が私は心配です。全部ペケだったらどうするの?
超ご機嫌の彼の話を引き出せば、筆記試験があって、数日後、口頭試験はフランス語、英語、スペイン語などであったそうです。数人の試験官の前で20分位ぺらぺらするそうです。英語の口頭試験とスペイン語の口頭試験の間が5時間もあってうんざりだったよ。聞いただけで食欲が失せました。
私のできることはおっ月様に”どうかどうかどっかの学校に入れてください”とお願いするだけです。
全体的に弛緩した感じの6月、ヴァカンスの事で頭が一杯で、上の空だけど機嫌が良いパリジャン。今年はお天気も良く素敵な6月のパリです。