今年の近所のブドウ畑

はーいプロヴァンスからです。
私はこのアヴィニヨン近郊の小さな村でワインの仕事をして今年で11年になります。
で、毎年畑でブドウが育っていく様子を見ているんだけど、今年はそのスピードが早い早い。
4月初旬の段階で、あれ、もう5月かいな?と目を疑い、今5月ほぼ半ばにして、芽摘み作業をする時間もなく枝はぐんぐん伸び、なにやらもうすぐ花が咲きそうな勢いです。(この記事を書き終える前に花は咲き始めました、ハイ。写真見てくださいね)
地元生産者達の話では例年より2週間以上生育が早いそうです。
こういう年、生産者たちは畑の仕事に追われ、休むまもなく大忙しです。
温度は日中30度近くまでぐわっと上がり、時には夕立が来そうな蒸し暑さとなり、で、ここで空がはじけて、夕立や雹が降って畑の大事なブドウの柔らかい枝やつぼみちゃんたちを容赦なく叩きのめすこともあるので、そうなると収穫量がぐんと減ってしまいます。
だから皆の神経はお空の状態にもすごく集中します。
雨が降って風が吹かないと湿気がたまって病気も発生します。
でもだからといってこの時期、風(ミストラル)が強く吹きすぎると、乾燥して病気は避けられるのですが、黄緑色のきれいな色をしたブドウの枝たちはぽきぽき風にへし折られてやられてしまいます。
これも収穫減につながります。
風にも負けず、湿気にも負けないブドウになるように準備するには、この枝が伸びてきた時期、パリサージュといって、枝を持ち上げ、おさえ針金の中へ収めていくしかないのです。
でもこれはもちろん全部手作業で、1列1列1枝1枝まとめて行くので、大変なんですよー。かなり気が遠くなる作業。。。。
そして畑の中の雑草もぐんぐん伸びてくるから除草作業もしなきゃいけないし。
私の知る人たちは除草剤は使用しないので、機械作業で雑草を掘り起こしていくか、または古木の区画は手作業での草を抜いています。。。
ということで、美味しいワインには生産者達の汗と思いと願いと希望すべてが詰まっているのです。
個人生産者のワインは知れば知るほど面白いです。
それではまたね
グルナッシュの花の咲き始め
 
 
 
 
 
葡萄の白く可憐な花
 
 
 
 
 
 
パリサージュされた畑は整然として気持ちいい