先日、山羊達が線路脇をうろついていた為フランス新幹線TGVが1時間近く遅れました、というニュースを読んでびっくりしたのは、日本ではビッグニュースになる新幹線の大幅な遅れの方ではなく、山羊達がいたのがパリのほんの郊外だったからです。本当に農業大国だなとつくづく再確認しました。
しかし今問題になっているのは、私が驚いた山羊達の部分ではなく、新幹線の遅れの部分で、フランス国鉄を改革しよう、という話題です。

新幹線がらみだと必ず引き合いに出されるのが日本の新幹線です。世界一速い時速603kmを記録し、カモの嘴のような顔をして姿形も格好良く、時間に厳密という優等生。何でも年間平均の遅れは日本では6秒という神技です。フランスは平均30分。単位が違いますがな。
日本では、遅れは1秒たりとも”遅れ”の烙印を押さるそうですが、フランスでは15分から”遅れ”となります。そして30分以上2時間迄の遅れには25%、2時間から3時間の遅れには50%、3時間以上の遅れには75%の払い戻しがされます。
この払い戻しのシステムは素敵で、遅れてやっとこ動き出した車内から、早々国鉄のサイトの払い戻しページに行くと既に私の状況を把握していて、遅れてごめんなさい。いくらいくら払い戻しいたします。と即答です。振り込みも即です。これはサイトでチケットを購入しているからなのですが、フランスらしからぬ素早い対応に感動します。このように、気前よく払い戻しばかりしているので国鉄はいつも赤字です。まぁそれだけ遅れてばかりいる訳で、日本の奇跡のカラクリを研究しています。

日本は職員が多い。フランスもホームには何人も固まって帽子かぶって制服着ている人はいるのですが、おしゃべりしているばかり、何か集会でもしているのかしら、という有様です。
出発ホームが日本はほぼ決まっている。フランスは10分から15分前にならないとどこのホームかアナウンスされません。アナウンスされるや否やどどどーと人がスーツケースや犬を引っ張って突進します。電車の頭からお尻までは地下鉄1駅分あるほどの長さがあり、最後部なんぞ、屋根も無く雨の中泣きながら自分の乗るべき車両を探します。適当に乗っても途中切り離されて知らない所まで連れて行かれたり、列車が途中で分断されていて、その向こうの車両へは行かれなくなってたりするので、始めから自分の車両に乗った方が安全です。そんなこんなで大荷物や子供を持ってもそもそしている乗客の所為で出発は遅れます。

元々、時間の感覚が違う国民性なので、何かのスポーツであるまいに秒単位で時間を考えることはしないフランス人に日本的な時間ぴったり感は理解できないと思います。
そんなことより、クルリと回る座席のシステムを取り入れて欲しいと、全ての座席が進行方向と逆になっていたりすると切に思います。

政府が国鉄改正法を発表すれば、内容がなんであろうとストライキが始まります。春休みの頃はまたもや大混乱になって、払い戻しの大判振る舞いをしなければならない事でしょう。